6月22日に北海道、沖縄で開幕した今年の夏の高校野球。全国各地でも続々と抽選会が行われ、いよいよ夏本番が近づいている。注目の地区を紹介していきたい。
7月、高校野球界で最も注目を集めるであろう163キロ右腕・佐々木朗希(大船渡)。岩手大会の抽選が行われ、大船渡はDブロックに入った。Dブロックのシードは久慈と盛岡四の2校だ。
花巻東と盛岡大付の2強とは別のブロックに入ったものの、久慈と盛岡四は好調な仕上がり。特に盛岡四は春季大会の準決勝で盛岡大付を下しており、なかなか手強い相手になりそうだ。
スタミナがあるうちに2強を叩いて勢いに乗りたいところだったが、どうなるか。フルスロットルの投球は見られるのか。岩手大会から目が離せない。
なんと言っても抽選の注目は大阪だろう。春の結果に関わらず、南北に分かれて完全抽選でシードなし。2015年は、2回戦で大阪桐蔭と履正社が相まみえたこともある。
南北それぞれで16グループ、計32グループのヤグラで3回戦までの組み合わせを決めるが、今回もなかなか面白いグループが形成された。
■北地区
履正社 / 箕面学園
■南地区
近大泉州 / 大体大浪商
大商大堺 / 興國 / 大商大高
東大阪大柏原 / 近大付
この4つのグループは激戦区といえるだろう。大混戦の大阪、まずはベスト32進出に向け、負けられない戦いがはじまる。
夏の高校野球といえば、敗者が勝者に必勝祈願の千羽鶴を渡す“儀式”も有名だ。しかし、近年では2011年に福岡県が禁止したのを皮切りに、各地で自粛や禁止の動きが出ている。今夏は新たに兵庫県で禁止になった。
表向きは「受け渡しが通行の妨げになる」ということだが、正直、質量的にも精神的にも“重い”というのも理由の一つだろう。
夏前になると保護者会が頑張って千羽鶴を折り、壮行会でお披露目…というのも多くの学校の恒例行事だが、徐々になくなっていくのかもしれない。千羽鶴事情にも注目したい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)