失策の多さは、内野の陣容がガラッと変わっていることにも起因する。昨季と今季の開幕戦でのスタメンを見てみよう。
■昨季の開幕スタメン
1(左翼):高山俊
2(中堅):横田慎太郎
3(三塁):ヘイグ
4(右翼):福留孝介
5(一塁):ゴメス
6(遊撃):鳥谷敬
7(二塁):西岡剛
8(捕手):岡?太一
9(投手):メッセンジャー
■今季の開幕スタメン
1(左翼):高山俊
2(二塁):上本博紀
3(中堅):糸井嘉男
4(右翼):福留孝介
5(一塁):原口文仁
6(遊撃):北條史也
7(三塁):鳥谷敬
8(捕手):梅野隆太郎
9(投手):メッセンジャー
外野はライトが変わったのみで、糸井の加入によりレベルアップしたが、内野は大きく変わっており、しかも一塁の原口、三塁の鳥谷はコンバート組。このポジションで、原口は昨季9試合に出場。鳥谷は2004年に30試合、昨季は17試合に出場しているとはいえ、本職ではないだけに、まだまだ安定感には欠ける印象だ。
それに加えて、抑えのマテオが早くも2失策を犯しているのも気になるところ。マテオがマウンドに立っているということは、当然、終盤の重要な場面。そこでの失策は命取りとなってしまう可能性がある。昨年は無失策だっただけに、試合を重ねれば本来の感覚を取り戻していくと信じたい。
新戦力の糸井がホームランを連発、桑原謙太朗が移籍3年目にして初勝利を挙げるなど、明るい材料もある阪神。ただ、大事な場面でポロポロやってしまうような締まらないゲームを繰り返していれば、昨年4位からの復権は幻となってしまう。
幸いにも、続くヤクルトとの2試合は無失策で終え、立て直しの兆しは見られた。傷口が大きくなる前にしっかりとケアしておくに越したことはない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)