■本厄男@
大谷翔平(エンゼルス、1994年7月5日生まれ)
エンゼルスへの移籍が決まり、いよいよメジャー挑戦が現実となった大谷翔平。ただ、2017年の大谷は故障の影響でWBCやシーズンが不発に終わり、残念なNPB最終年になってしまった。2018年に本厄を迎えるが、2017年の不調を前厄のせいだったととらえると合点がいく気が……。これでは「本厄では一体何が起こるのか!?」という不安にかられてしまう。
厄を信じるならば、後厄から抜けかける2019年のオフか、抜けきった後の2020年の移籍でもよかったのかもしれないが、それは神のみぞ知る領域。二刀流で日本球界の常識を覆してきた大谷だけに、今は「厄に負けるな、大谷翔平!」とエールを贈りたい。
■本厄男A
京田陽太(中日、1994年4月20日)
大谷世代からはもう1人、2017年の新人王・京田陽太(中日)を取り上げたい。
2018年の京田は本厄のほかに、2年目のジンクスとも戦わなければならない。どちらか1つでも相当に手強いのに、2ついっぺんにやってくるのは相当にキツい……。
「本厄」と「2年目のジンクス」にハマったと思われるのが2017年の高山俊(阪神)。ルーキーイヤーの2016年はほぼフル出場を果たしたものの、2017年は盗塁以外のスタッツが軒並み下がってしまった。
2017年オフの京田はイベントやテレビ出演に引っ張りだこで、あまり練習ができていないというニュースも流れた……。先輩新人王の二の舞いにならないことを祈りたい。
■本厄男B
福留孝介(阪神、1977年4月26日)
気がつけば不惑を超え、さすがに現役選手が減ってきた1977年組。生き残ったベテラン選手にも本厄は容赦なく襲いかかる。
そのなかで要チェックなのは、ここ数年、アラフォーとは思えないスタッツを残している福留孝介(阪神)。2017年も前厄など関係ない活躍を見せた。
前回の本厄だった2001年は、プロ入り3年目で起用法が定まっていなかった影響もあって、やや不振。しかし頼れるベテランの地位を確立している今なら、本厄も吹き飛ばしてくれるだろう。
■本厄男C
荒木雅博(中日、1977年9月13日)
1977年組からは荒木雅博(中日)もクローズアップ。ここ3年は出場試合数が100試合を切っているが、限られた出場機会のなかで2016年には球団新記録の370盗塁、2017年には2000安打を達成するなど、ベテランの意地を見せている。
そんな踏ん張っているところに降りかかる本厄が、キャリアにどう影響するかは気になるところ。ちなみに前回の本厄だった2001年は、出場試合数が初めて100試合を超え、上げ潮ムードの真っ只中にいた。
しかし、2018年に迎える本厄は、節目の記録を達成した後、モチベーションの低下がないとは言い切れないところに訪れる。1年でも長い現役生活を願うが、もしかすると2018年が分岐点になるかもしれない……。
■本厄男D
西武・辻発彦監督(1958年10月24日)
12球団監督で唯一本厄に当たるのが、2017年に古巣・西武を率いて2位となった辻発彦監督。打倒・ソフトバンクを期し、優勝を狙う状況にあって、指揮官の運気が微妙なのは懸念材料だろう。
ただ、健康や縁起を気にする年代だけに、お祓いをして準備万端に備える……ような気がする。それに、前厄ながらチームを躍進させた2017年を思えば、心配はいらはないかもしれない。
人生2度目の本厄のときに現役引退を決めた辻監督。3度目の本厄はどんな1年になるのか。西武ファンの筆者は、しっかりと見届けたい。
悪い運気というのは、一度気にし始めるとなかなか振り払うことができない。豪快なプロ野球選手ならば心配はないのかもしれないが、人一倍繊細な面もある。もしも、彼らや彼らの同級生の選手たちが不調だった場合は、厄にとらわれたた可能性がある。
ファンとしてはもどかしいが、球場でヤジを飛ばすことよりも「本厄だから仕方ない」「今は厄だけど、どこかできっと巻き返してくれる」。と割り切ったほうが懸命かもしれない。
誰しも訪れる厄年。それはプロ野球選手でも例外ではないのだから。
文=森田真悟(もりた・しんご)