まず侍ジャパンは、3月7日から11日にかけて行われる1次ラウンド「東京プール」でキューバ、中国、オーストラリアと総当たり戦を行う。
先々を考え「先発大谷」の試合を1試合でも多く作りたいので、7日か8日に行われる初戦に登板させたい。
残る2試合はもちろん指名打者での出場。第2ラウンド目指して、ガンガン打ってもらおう。
1次ラウンド「東京プール」と「ソウルプール」を勝ち上がった上位2チームずつ、計4チームによる2次ラウンド「東京プール」は3月12日から16日にかけて開催。前回大会と同様ならダブルエリミネーション方式で行われる。
もし1次ラウンドの3月7日に大谷を先発させると、2次ラウンドの初戦(12日)が中4日の登板となり、投げさせられない可能性が高い。
しかし1次ラウンドを勝ち上がれなかったら元も子もないので、2次ラウンド初戦はほかの投手にがんばってもらいながら、大谷は打者としてのサポート。
初戦に勝つと2戦目は14日に行われる。14日なら中6日の登板になるので、ここで「投手・大谷」の出番。ラウンド1位決定戦までコマを進められれば、ベスト4は確定なので、その力投に期待したい。
2次ラウンドの1位決定戦まで勝ち上がったら、決勝ラウンドで考えたいことが出てくる。次に大谷をどこで投げさせるかという問題だ。
決勝ラウンドでの準決勝と決勝は以下の日程で行われる。
■準決勝:3月20日、21日
■決勝:3月22日
この日程だけを見ると「20日の準決勝に先発して、中1日空けて決勝で打者」という流れがベストに思えるが、2次ラウンドの14日に先発していた場合、20日に先発すると中5日での登板になってしまう。
「中5日なら気力で踏ん張ってくれる」と思いたい……。
しかし優勝するためには、まず決勝に出なければ始まらないので、筆者としては第2ラウンドを2位で通過して21日の準決勝に中6日の大谷を登板させたいと思う。
第1回大会では上原浩治(レッドソックス、当時・巨人)が、第2回大会では松坂大輔(ソフトバンク、当時・西武)が準決勝に登板。決勝に向けての露払いをしてきたという過去もあるので、まずは大谷に決勝への扉をこじ開けてもらおう。
これが筆者流の大谷活用術である。
「◯◯の大会」という表現は、サッカーの国際大会でよく使われる。チームに栄光をもたらしたスーパースターを褒め称える最高の賛辞だ。
WBCに当てはめるなら、第2回大会は「イチローの大会」ということになる。そして第4回大会を自分のものにできる可能性を秘めているのが大谷だ。
大会後にはきっと、二刀流が「NITOURYU」として全米を席巻していることだろう。アメリカ人は侍も大好きだ。
文=森田真悟(もりた・しんご)