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南北海道の有望選手、大会展望

7月17日〜23日(札幌市円山球場ほか)

全国レベルの右腕たちに挑む北照W左腕
小粒だがスピード感あふれる野手に注目


投手編


▲齋藤綱記(北照)

北の大地を照らす左腕

 今年も北照の左腕が北海道を盛り上げるか。プロ注目の齋藤綱記に加え、スリークオーター・山田宏夢が成長し連覇を狙う。齋藤は昨夏の甲子園で138キロを記録。常総学院打線を抑え、注目を集めた。今年はここまで登板機会こそ少ないが、元ヤクルト・松岡弘臨時コーチの指導もあり、夏へ照準を合わせている。最速143キロにアップしたストレートは角度があり、決め球のスライダーは独特の軌道を描く。一方、昨春甲子園を経験済みの山田はこの冬に急成長。キレのあるストレートをコーナーに投げ分けるなど安定感が増した。注目の打力では、左打席から伸びのある打球を広角に打ち返す。また謙虚さと闘争心を兼ね備え、野球への取り組み方もいい。

 右腕では「小さなエース」西嶋亮太(東海大四)が際立つ。回転のいいストレートと鋭くブレーキがかかったスライダーは全国レベルで、168センチ59キロの体をフルに使いテンポよく投げ込む。経験も豊富で、今どき珍しい負けん気の強そうな顔つきは魅力的。

 2年生右腕・伊藤大海(駒大苫小牧)は、今センバツの創成館戦で完封し自信を深めた。球持ちのよさとキレで135キロ前後のストレートでも空振りが取れる。140キロ右腕・菊地翔太ら複数の投手とチーム内で競い合い、レベルアップを続けている。

 右の大平圭介(北海道栄)、左の石橋健吾(札幌第一)も期待される投手だが、春はピリッとしなかった。本領を発揮できれば、一気に甲子園を狙える力はある。

 隠し玉的な存在は原健太(北海学園札幌)。177センチ70キロと均整のとれた左腕で、まとまっている分、体が強くなれば面白い。

打者編

▲伊藤優希(駒大苫小牧)

力強い打球を放つ打者多し

 例年より小粒だが、今年目立つのはスピードが魅力の野手たちだ。特に捕手では、昨秋1番中堅手だった川口祐也(北照)。パンチのある切り込み隊長でサク越えパワーを備える。辻本勇樹(北海)は元内野手で二塁送球時のフットワークと低い球筋で観衆をうならせる。笹原勇人(苫小牧中央・2年)は大砲候補。ムラもあるが、ツボにはまれば圧巻の放物線を描く。

 好選手が揃う内野手の中で経験と存在感なら吉田甫(北海)だ。名門校で1年春からレギュラーとして出場し、低く強い打球への意識を徹底。キャプテンシーもあり、人望は厚い。福田涼太(東海大四)は巧みなバットコントロールで安打を量産する攻撃的な遊撃手。遠藤京佑(恵庭北)はアグレッシブな守備が持ち味で、見る者に遊ゴロを期待させる。2年生の岡本凜典(札幌大谷)は投げてもすごいが、打席での風格もある。

 外野手では、センバツでの活躍が鮮烈だった伊藤優希(駒大苫小牧)。磨きをかけたシュアな打撃に加え、50メートル5秒台の足を生かした守備範囲の広さと的確な状況判断でチームを救う。長距離砲なら、左の戸川大輔(北海)、松田進吾(札幌日大)、右の土門愛大(北照)。戸川は188センチの長身で投手としても期待された逸材。松田は勝負強さが光る。土門は1年春から主力と期待された右のスラッガー。強肩強打の外野手として覚醒も近い。

大会展望
絶好の機会を迎えた東海大四


春は甲子園帰りの駒大苫小牧が初戦で敗退し周囲を驚かせた。崩れての敗戦ではないため夏に向け「いいクスリ」としたいが、重圧もあり例年苦戦する室蘭支部予選は今年ノーシード。6月下旬に合わせて仕上げられるかが注目だ。東海大四は今年絶好のチャンス。絶対的エースの西嶋を伝統の強打が援護すれば、21年ぶりの夏が見えてくる。北照はやや小粒だが齋藤、山田の両左腕を中心にソツのない野球で連覇を狙う。この3校に札幌第一、北海、札幌大谷の札幌勢が挑む。


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