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開幕スタメンとしてはまず、金本監督が唯一公言しているライト・福留とセンター・糸井に当確ランプが灯る。
外野の残された一角・レフトは、ルーキーイヤーに期待通りの活躍を見せた高山俊で確定だろう。
来季、競争が激化するだろう内野陣には、新外国人・キャンベルが加わる。
キャンベルとの契約にあたっては、事前に金本監督もメジャーや3A時代の映像を確認したという。外国人にありがちな軸のブレがなく、広角に打ち分けられ、選球眼もいい……近年の外国人選手でたとえるならばマートンのようなタイプの選手というふれこみだ。
入団が決まり開口一番、金本監督に「4番候補」と言わしめただけに期待は持てる。映像を見る限り、守備もフットワークがよく、来季はキャンベルで安定して4番・サードのピースは埋まる。
ショートは、今季ブレイクした北條史也と、簡単に明け渡さない鳥谷敬の一騎打ち。おそらく、競争に敗れた方がセカンドに回り、二遊間は北條と鳥谷で自然に埋まるだろう。
残るポジションはキャッチャーとファーストだが、来季のポジション争いでもっとも注目すべきは、今シーズン彗星のごとく現れた原口文仁だ。
もし原口が来季、正捕手の座を確保すれば、ファーストは超激戦区と化す。ファーストの激しいレギュラー争いは、言うまでもなく打線にも大きく影響する。
前述したポイントも踏まえて、筆者が考える開幕スタメンは以下の通り。
まずは1番に今季成長著しい北條。
バントをすることなくスコアリングポジションに進めるための攻撃的2番として糸井。
今季終盤にも3番に抜擢され結果を残した高山が3番。
4番は金本監督もお墨付きのキャンベル。
5番は今季クリーンアップを全うした福留。
この位置に座ると相手チームにとって脅威となる原口が6番。
7番には来季の完全復調を期待して、下位で気楽に打たせたい鳥谷。
そして、8番・ファーストの候補には一発長打を秘めた中谷将大、陽川尚将。ここにドラフト1位の大山悠輔などが力をつけて、争いに加わってくると、非常に面白い打線となる。
このオーダーは、あくまでも原口がキャッチャーとして安定的にレギュラーを務めることを前提としたもの。このように「キャッチャー・原口」なら8番まで打線はうまくつながる。
来季の開幕予想から見ても、金本監督が理想とする野球に近づいてはいる。
「孝介と糸井は決まり」と金本監督は口にしているものの、本音は「2人を押しのける若手が出てきてほしい」、ベテラン勢の座を覆す若手の出現に期待しているのではないだろうか。
今季終盤に北條が鳥谷からポジションを奪ったように、高山との競争に敗れた江越大賀、横田慎太郎、板山祐太郎、中谷将大などが、福留や糸井を脅かすような激しい争いをしなければチームは強くならない。
“超変革の完結！”
それには、もう少し時間がかかりそうだ。
文＝まろ麻呂
企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子供のころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには！」をモットーに、日々書き綴っている。
