今シーズンのオリックスは開幕ダッシュに成功。その原動力となったのがロメロの活躍だった。しかし、そのロメロが4月22日の試合で負傷し、登録を抹消。そこからオリックスの成績は急降下をたどることとなる。
また、ローテーション投手のコークも故障により5月14日に抹消と踏んだり蹴ったり。一時は8あった貯金がみるみる減り、借金9にまで落ち込んだ
そこで急遽、新外国人選手で得点力アップを図るべく獲得したのがマレーロだ。交流戦までにはロメロも復帰し、外国人野手はモレル、ロメロ、そして、マレーロの3人が揃うこととなった。
マレーロの加入によって、オーダーが少しずつ変わってくる。マレーロは外野手登録だが、アメリカでは一塁も守っていた。日本デビュー当初は右翼を守り、来日2カード目の広島戦からは一塁で起用されるようになった。
一方、ロメロは開幕から右翼を守っていた。ケガから復帰してしばらくは指名打者で起用されていたが、またすぐに右翼に戻っている。モレルは一塁か三塁だが、二塁での起用にはファンも驚いた。
オリックスは現在、オーダーが流動的だ。左翼のT-岡田、右翼のロメロ、遊撃の安達了一が、今のところ固定されたポジション。
最も混沌としているのは二塁だ。シーズン前には西野真弘で決まりと思われていたが、実際に二塁を守った選手は、西野のほかに大城滉二、鈴木昂平、モレル、そして、ケガから復帰した小島脩平。相手投手によって起用が変わる状況だ。
小谷野栄一、中島宏之のベテラン陣が元気に活躍している現状も、オーダーを悩ませる一因になっている。小谷野は三塁、中島はDHでの起用が主なところだ。
オリックスには複数のポジションを守れる選手が多い、特に小島や大城は内外野の両方を守れるので、今が出場機会を増やすチャンスだろう。
マレーロの加入によって、さらに激しくなったレギュラー争い。これがペナントレースの争いにいい影響を及ぼすのか。注目したい。
文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
関西在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。