キャンプは2軍スタートとなった高橋昂也(広島)。キャンプ半ばにはアドゥワ誠、長井良太、坂倉将吾ら高卒ルーキーたちと「一日1軍体験」を行った。
松田元オーナー、緒方孝市監督らが見守るなか正捕手の石原慶幸を座らせ、ブルペンで投球を披露。高卒ルーキーながら臆することなく堂々とした投球を見せ、首脳陣を驚かせた。開幕は2軍スタートが濃厚だが、結果を出していけば、今シーズン中に1軍のマウンドに上がるかもしれない。「高校ビッグ3」と称された最速152キロ左腕の勇姿を楽しみに待ちたい。
昨シーズンは期待されながらも1軍に定着できず、3試合出場の1安打に終わった岡本和真(巨人)。今シーズンは本職の三塁、一塁だけでなく左翼の練習も開始した。
2月12日の紅白戦では3安打の猛打賞。守備でもダイビングキャッチを披露するなど、期待以上の活躍で高橋由伸監督を喜ばせた。
陽岱鋼の加入で激戦となった巨人の外野陣。左翼はジョーンズ、亀井善行らが競っているが、岡本もその争いに加わりそうだ。
昨年、ラミレス監督が春季キャンプで絶賛した網谷圭将(DeNA)。育成ルーキーながら1軍キャンプに参加しアピールしていたが、キャンプ中のケガで開幕に出遅れてしまう。
復帰後は1軍に呼ばれることなく、1年目のシーズンを終えた。しかし、シーズンオフには台湾で行われた2016アジアウインターベースボールリーグ(AWB)で活躍。今キャンプでも奮闘中だ。
2月13日、今キャンプ中、網谷にとって初の対外試合となった阪神との練習試合では、横山雄哉の高めの球をジャストミート。バックスクリーンへ飛び込むアーチを放った。一塁の守備も無難にこなし、シーズン中の支配下登録へ向け視界良好だ。
ゴメスが退団し、野手の外国人選手が不在となった阪神にやってきたのがキャンベルだ。アベレージヒッターとして期待され、フリー打撃では広角に打ち分ける打撃を披露。しかし、金本知憲監督は「4番候補として獲ってないけど、右の大砲として4番に座ってくれるのが理想」と、主砲としての役目を求めるようなコメント。
その言葉を聞いて発奮したのか、その後のフリー打撃では柵越えを連発。パワーがあるところも見せた。守備では三塁、二塁、一塁とこなし、ユーティリティープレーヤーとしての器用さも披露。虎の新外国人は「ひょっとするとひょっとする」かもしれない。
昨シーズンは2015年の優勝を支えた鉄壁の中継ぎ投手陣が崩れ、連覇を逃したヤクルト。投手陣の立て直しを急ぐなか、抑え候補にドラフト2位ルーキーの星知弥が浮上した。
ブルペンでの投球を確認した真中満監督は「この時期でこれだけの球を投げるのであれば、うちでは一番速いよ。欲を言うと、8回、9回を投げてほしい」と、「ルーキー守護神」の誕生を示唆した。
星は宇都宮工高、明治大でリリーフでの登板経験があり、抑えでの調整にも不安はない。「抑えは優勝の瞬間にマウンドにいるのが魅力」と語っており、その気はありそうだ。東京六大学リーグ時代に慣れ親しんだ神宮球場で優勝投手を目指したい。
◎ゲレーロ(中日)が実戦初打席でバックスクリーン弾!
昨シーズンのビシエドに続きメジャーリーガーのゲレーロを獲得した中日。ドジャース時代の2015年には11本塁打を放つなど長打力は実証済み。パワーヒッターとして期待されている。
今キャンプでは初日のフリー打撃から14本の柵越えを披露。シート打撃ではドラフト1位ルーキーの柳裕也にとって「プロの洗礼」となるレフトスタンドへの本塁打を放った。
初めての実戦となったハンファ(韓国)戦では初打席でバックスクリーン右へ特大アーチ。さらに、三打席目にはレフトスタンドへ弾丸ライナーを突き刺し、元メジャーリーガーの実力を見せつけた。
中日はビシエドのほかにアラウホ、ロンドン、ノルベルト、バルデスら外国人投手がいるため、外国人枠をめぐる熾烈な争いが予想される。そのなか、ゲレーロが強烈な打棒で頭ひとつ抜け出した格好だ。
文=勝田 聡(かつた・さとし)