昨季、遊撃をまったく固定できていなかった西武。先発で起用されたのは主に4選手で、鬼崎裕司が45試合、呉念庭が40試合、永江恭平が23試合、金子侑司が21試合。首脳陣も、いかに頭を悩ませていたかがわかる。他に外崎修汰や木村昇吾、渡辺直人らのスタメン起用もあった。
しかし今季は、開幕から源田がフル出場。内野の要を固定できたことによって、チーム全体の守備も安定してきた。
それは数字にもしっかり表れていて、昨季、12球団で唯一、3ケタの101失策を犯していた西武が、今季は14試合を消化して4失策。これはソフトバンクと並んで12球団トップの少なさだ。このペースなら、年間のチーム失策数も半減しそうな勢いである。
大分商高から愛知学院大、トヨタ自動車を経て昨秋のドラフト3位で入団した源田。ルーキーの開幕スタメン遊撃手は、チームでは石毛宏典以来36年ぶりだった。
その石毛は、ルーキーイヤーに新人王を獲得している。源田が新人王に輝けば、西武の野手では1998年の小関竜也以来だ。
昨季は崩壊気味だった西武の内野陣のイメージをガラッと一変させた高い守備力だけでなく、盗塁や犠打など小技もきっちりこなせるだけに、あとは2割台前半にとどまっている打率を上げていければ、新人王の可能性はさらに高まっていきそうだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)