仙台育英から2013年のドラフト4位でソフトバンクに入団した上林。プロ2年目の2015年に1軍入りを果たすと、8月25日のロッテ戦で満塁ホームラン。この年は15試合の出場ながら打率.318。クライマックスシリーズ、日本シリーズにも出場するなど、ブレイク目前と思われた。
ところが2016年は、「紅白戦もオープン戦も使う」と公言した工藤公康監督の期待に応えられず、2軍落ち。14試合の出場に終わり、打率も.211と大きく期待を裏切った。
巻き返しを図るプロ4年目の今季は、紅白戦でチーム第一号の本塁打。オープン戦でもチーム第一号を放ち、大きくアピール。激戦の右翼争いのなか、開幕戦スタメンを勝ち取った。
ロッテとの開幕戦。「9番・右翼」で先発出場した上林は、1対1の8回裏にセンター前ヒットを放つ。そして、今宮健太の犠打、本多雄一のタイムリーで生還。決勝のホームを踏み、初勝利に貢献した。
さらに第3戦では、2対3と1点を追う7回裏にライトスタンドへ同点本塁打をかっ飛ばす。
この回、チームは逆転し、お立ち台に登った上林は満員のヤフオクドームのファンから喝采を浴びた。
先述した通り、今季がプロ入り4年目、1軍での出場が3年目となる上林。「石の上にも3年」なることわざがあるが、1軍3年目でブレイクした選手が、ソフトバンクの先輩に2人いる。柳田悠岐と川崎宗則だ。
まず柳田の成績を1年目から見てみよう。
■2011年(プロ1年目)
6試合:打率.000/0本塁打
■2012年
68試合:打率.246/5本塁打
■2013年
104試合:打率.295/11塁打
プロ1年目から1軍出場を果たし、3年目の2013年にレギュラーに定着した。2014年にはフル出場。そして、2015年にトリプルスリーを達成した。
川崎宗則の成績は以下の通りだ。
■2000年(プロ1年目)
1軍出場なし
■2001年
1試合:打率.000/0本塁打
■2002年
36試合:打率.232/0本塁打
■2003年
133試合:打率.294/2本塁打
1軍に昇格してから3年目の2003年にレギュラーに定着した。翌2004年にはフル出場し、最多安打と盗塁王のタイトルを獲得した。
タイプは違うが、2人とも入団直後から期待の若手として注目され、1軍に上がって3年で結果を出し、スター街道を驀進した。
上林も柳田や川崎のように、スター街道を突き進むことはできるのか?
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住の47歳。広告代理店運営、ライター、イベンター。生まれも育ちも北海道ながらホークスファン歴約40年。今年の観戦デビューは4月11札幌ドームのビジター席。ホークスファンよ、一緒に盛り上がろう!