【徹底解説】今週のCS争奪戦―生き残るのはこの球団―
【激闘を振り返る! 先週の試合をダイジェストで紹介!!】(2013.09.10〜09.17)
先週はバレンティン・フィーバーに沸いたセ・リーグの一週間だったが、その影で広島が怒濤の快進撃をみせた。10日からの6連戦はヤクルトを3タテ、巨人を3タテと破竹の6連勝。特に15日の巨人戦ではエース・前田健太を中4日で先発起用。昨年9月以来、通算8度目の中4日起用だったが、野村謙二郎監督も“ここが勝負”とムチを入れたようだ。
一方、CS争いの当面の敵である中日とDeNAはやや後退。DeNAは5カード連続勝ち越しを狙った10日からの巨人3連戦をまさかの3連敗。中日は同じく10日からの阪神3連戦を2勝1分で乗り切るも、両チームの直接対決となった14日からのナゴヤドームでの直接対決は、2勝1敗でDeNAが勝ち越し。勝ち星の食い合いをしている間に、広島が頭ひとつ抜け出した格好となった。
今後は広島との直接対決がCS争いの大きなカギを握ることが予想される。広島との残り試合が4つある中日に比べて、DeNAは残りゼロ。3位争いは、広島と中日に絞られたか…。別の観点では、3タテしたばかりとはいえ、強い首位・巨人との試合を最も残しているのが広島で、最下位・ヤクルトとの試合が多いDeNA。全チームとほぼ5分5分で渡り合っている中日……。さぁ、どうなるのだろうか?
それにしても不甲斐ないのは阪神だ。中日、ヤクルトと続いた6連戦は1勝4敗1分と散々な成績。このままだと2位通過も怪しくなってきた。17日から始まった猛追してくる広島との3連戦の初戦も負けてしまう有り様。粘りきれるか?
▲3位が基準のセ・リーグ順位表(17日現在)
バレンティン・フィーバーに対して“田中将大祭り” の一週間だったパ・リーグ。やはり楽天は強かった。注目カードにあげた10日からのロッテ3連戦は、2勝1敗で楽天が勝ち越し。続くオリックス4連戦の初戦もエース・田中将大が開幕21連勝を飾るなど、盤石の戦いを続けている。
特に7-0で勝利した11日のロッテ戦では、楽天のマジックが一気に3も減る珍事が起きた。首位・楽天がマジック対象チームのロッテに勝てば、普通は2つ減る計算だが、パ・リーグ規定では最終的に勝率が並んだ場合は、そのシーズンで勝ち越した方が優勝となる。この日の勝利で楽天はロッテに勝ち越しを決める13勝目を挙げたため、ロッテと同率でも楽天が上位。楽天はあと15勝すれば残り全勝した場合のロッテに並ぶため、マジックは前日の18から15に減り、一気に“3減”となった。
18日現在では優勝マジックは9。初優勝を成し遂げるのも時間の問題だろう。
そして先週、大躍進したのはソフトバンクだ。台風や雨の影響を受けない福岡ドームでの6戦を、4勝1敗1分で乗り切った。特に14日からの日本ハム3連戦はサヨナラ勝ちを含む3連勝で2位ロッテの背後にピタリとつけた。
逆に日本ハムはCS争いから大きく後退し、その日本ハム相手に10日からの3連戦を3連敗したオリックス。これでCS進出を巡る争いは、ロッテ、ソフトバンク、西武の3球団に絞られたようだ。
▲3位が基準のパ・リーグ順位表(17日現在)
【見逃したら後悔必至! 今週の注目カードはこれだ!!】(2013.09.18〜09.24)
やや優位な広島に対して、セ・リーグの3位争いへの「挑戦者」をかけたカード。特に劣勢のDeNAにとっては地元・横浜スタジアムで何が何でも3連勝を狙いたい。
パ・リーグCS争い“最後の天王山”といえるカード。ここまで13勝8敗とロッテがやや有利だが、16日には先発の一角を担っていたグライシンガーが右肩痛で登録抹消。投手の台所事情では圧倒的不利なロッテだが、果たして誰が先発するのか…。
広島にとっては今シーズン最大の「ヤマ場」だろう。上位2チームとの直接対決に勝ち越すことができれば、同時に眼下の敵である中日、DeNAとの差を開くことができる。チームとして16年ぶりのAクラス入り、そして初のCS進出なるか、全てはこの6戦の勝敗に懸かっている。ちなみに初戦は広島が勝利し、幸先のいいスタートを切った。
■ライター・プロフィール
鈴木雷人(すずき・らいと)…会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。”ファン目線を大切に”をモットーに、プロアマ問わず野球を追いかけている。Twitterは@suzukiwrite