1位 原口文仁(神) 533,333円 9本塁打 推定年俸480万円
2位 鈴木誠也(広) 809,524円 21本塁打 推定年俸1,700万円
3位 宮崎敏郎(デ) 120,000円 10本塁打 推定年俸1,200万円
4位 西田明央(ヤ) 1,228,571円 7本塁打 推定年俸860万円
5位 山川穂高(西) 1,250,000円 8本塁打 1,000万円
6位 桑原将志(横) 1,444,444円 9本塁打 推定年俸1,300万円
7位 近藤弘基(中) 1,500,000円 2本塁打 推定年俸300万円
8位 下水流昂(広) 1,620,000円 5本塁打 810万円
9位 ウィーラー(楽) 1,739,130円 23本塁打 推定年俸4,000万円
10位 鵜久森淳志(ヤ) 1,875,000円 4本塁打 推定年俸750万円
(成績は8月28日現在、1本塁打の値段は小数点以下四捨五入、阪=阪神、広=広島、デ=DeNA、ヤ=ヤクルト、西=西武、中=中日、楽=楽天)
年俸を本塁打数で割って、1本塁打あたりの値段を算出したところ、10人中8人までがセ・リーグの選手となった本塁打部門ベストコスパランキング。そんななか、阪神の今季のスローガン「超変革」の象徴ともいえる原口文仁が1位となった。
2009年のドラフト6位入団で、2012年オフには育成契約となりながらも、今春のキャンプで1軍切符を掴み、支配下登録となった苦労人。あとは、捕手として一人前に育つかどうか。それが実現するようなら、阪神の戦力の安定はかなり高まる。
帝京高出身ということで、とんねるず・石橋貴明が出演するテレビ番組の人気企画「リアル野球BAN」からの正式オファーが待たれるところだ。
広島躍進の立役者、鈴木誠也が2位。チームトップのホームラン数と打率を誇り、6月には3試合連続決勝ホームランを放つなど勝負強さも秘める。加えて、チーム3位の盗塁数も記録している。
二松学舎大付属高校出身の4年目で、まだ22歳。今後の成長次第では、パンチ力とスピードを兼ね備えた外野手だった緒方孝市監督(広島)、あるいは秋山幸二(元西武ほか)や金本智憲(阪神監督)といったレベルにまで達する可能性もありそうだ。
8位には広島の下水流昂(しもずる・こう)、10位にはヤクルトの鵜久森淳志(うぐもり・あつし)と、難読苗字のふたりがランクイン。しかも、下水流は横浜高3年時の2006年に、鵜久森は済美高3年時の2004年に、甲子園のセンバツ優勝を経験しているという共通項もある。
両選手とも、期待されながらなかなかブレイクできなかったという点も似ているが、とくに鵜久森は、昨年オフに日本ハムから戦力外通告を受けながら、トライアウトを経てヤクルトに入団した崖っぷち選手。夏場以降は、故障者続出のチームにおいて貴重な働きを見せているだけに、今季をブレイクのきっかけにしたいところだ。
9位には、この手のベストランキングでは珍しい外国人選手、楽天のウィーラーが入った。昨年は、シーズン終盤になって帳尻を合わせるように打ちまったウィーラーだったが、今季は開幕からクリーンアップに定着。ホームランと打点はダントツでチームトップの数字を残している。
内野手登録ながら、サードとレフトの守備をこなす器用さもあり、178センチ100キロという丸っこい体からは想像できないダイビングキャッチを見せるアグレッシブな一面も。また、陽気な性格でチームのムードメーカーでもある。
ただ、この活躍で、2015年が5000万円、2016年が4000万円だった年俸は、大きくアップするはず。2位の鈴木誠也もそうだが、来年のベストコスパランキングからは外れる公算が高そうだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)