まず投手を見ると、先発陣は、チームでも侍ジャパンでも主戦を務める千賀滉大(ソフトバンク)に、昨季、15勝を挙げて名を上げた薮田和樹(広島)、2年連続2ケタ勝利の有原航平(日本ハム)が名を連ねる。
また、ブルペン陣も山崎康晃に加え、広島のストッパー・中崎翔太がおり、充実している。
ちなみにこの世代で甲子園を沸かせた投手といえば、興南高のエースとして春夏連覇を達成した島袋洋奨(ソフトバンク)。島袋はケガや不調に苦しみ、2017年オフに育成契約となるなどプロでなかなか結果を出せていないが、それでもこの世代が多くの活躍選手を生み出し、層が厚いことは間違いない。
続いてはこの世代の旗手・山田がいる内野陣を見ていこう。昨季の山田はチームも自身も残念な結果となったが、その分も(?)活躍したのが甲斐拓也(ソフトバンク)だ。
昨季の甲斐は、ルーキーイヤーの2011年から2016年でわずか15試合にしか1軍出場していなかったのがウソのように大ブレイクし、日本一に貢献。24歳以下、もしくは入団3年目以内の選手が集う侍ジャパンにも選出され、アジア プロ野球チャンピオンシップ2017に出場。まさに人生が変わった1年となった。
また中谷翔大(阪神)も台頭。甲子園をホームに20本塁打を放ち、全国のトラ党を歓喜させた。山田以外のスラッガーも着実に力をつけている。
最後に外野陣を見てみよう。筆頭はもちろん西川だが、アジア プロ野球チャンピオンシップ2017でMVPを獲得した外崎修汰(西武)からも目が離せない。
内外野を守れるユーティリティー性と昨季リーグ5位の23盗塁を決めた脚力には、侍ジャパンの稲葉篤紀監督も熱い視線を注いでおり、侍ジャパンのトップチームも手が届くところまできている。
変わり種としては、カープアカデミーを経て2016年に来日したメヒア(広島)も気になる。昨季はウエスタン・リーグトップの打率、打点、安打数を記録しており、今後が楽しみだ。外国人選手が「◯◯世代」のくくりで語られることは少ないので、1軍で活躍して仲間入りしてほしい。
島袋が順調だったなら、「島袋世代」と呼ばれていた可能性が高い1992年生まれ組。下の世代の台頭もあってなかなか日の目を見なかったが、ここにきて一気に花開いた。
派手さは少ないが、いざプレーとなれば高い能力を発揮する。さながら職人のような選手が集まった世代だ。
それだけに、これからも堅実に、キャリアをまっとうする選手が増えていきそうだ。
文=森田真悟(もりた・しんご)