プロ野球のレギュラーシーズンは残り1カ月を切り、いよいよ終盤戦に突入。ポストシーズン進出をかけた熾烈な争いが続いている。それと同時に、各球団の外国人選手たちも、来季の契約をかけて残り試合で必死のアピールを続けているのだ。
特に活躍を期待されながら「期待外れ」に終わった助っ人たちの去就は微妙であり、来季はもうNPBではその姿をみることができなくなる可能性もある。
そこでこのコーナー第2回目は、NPBに来た助っ人のなかで、今季は期待通りに活躍できなかった選手を取り上げよう(成績は9月7日現在)。
■セ・リーグ編
外野手/左投左打/36歳(1年目)
投手/右投右打/37歳(3年目)
開幕前はストッパー候補として期待された助っ人も、首脳陣の信頼を得ることができなかった。4月20日の対広島戦では12−1と大量リード時に登板。しかし、以前のストレートのスピードは影を潜め、左太もも裏に痛みを訴えて降板。翌日、遠征帯同を直訴するも、中畑清監督から「帰れ!」指令を受け、スゴスゴと横浜に戻るなど、その迫力ある風貌とはほど遠い活躍だった。
ライバルだったソトも「期待外れ」といえる活躍しかできなかった。2012(平成24)年まで在籍していた中日時代とはほど遠い活躍で、失望したDeNAファンは多いだろう。ソーサもソトも、1年目のモスコーソが先発ローテに定着する活躍を見せただけに、先輩外国人として見本となることはできなかった。
投手/右投右打/29歳(1年目)
内野手/右投右打/35歳(1年目)
今季、最も期待を裏切った助っ人選手といえば、この選手だろう。メジャー通算150本塁打を手土産にやって来たユーキリスは、自慢の選球眼をシーズン通して披露することなく日本を去ってしまった。
結局、21試合に出場して打率.215、1本塁打、11打点。四死球は13個で出塁率.342に終わった。左かかとの故障で4月末に登録抹消。5月には治療のため一時帰国といいながら、米国では古巣のレッドソックス本拠地のフェンウェイパークを訪れてイベントに出場するなど、温厚な楽天ファンでなければ「何しにNPBに?」とツッコミを入れたくなるような行動を見せている。もう少し長い目でNPBでの活躍を見守りたかった選手だったが……。
内野手/右投右打/38歳(1年目)
こちらも期待を裏切った助っ人の1人。ランサムはカブスから今季加入して、三塁手として期待された。一度聞いたら耳に残る秀逸な応援歌とは裏腹に、38試合に出場して打率.212、2本塁打、12打点と残念な成績を残して、7月27日には契約解除された。
代わりに獲得した途中加入のメヒアが大活躍をみせているだけに、西武ファンにとっては、その応援歌だけが印象に残っているかもしれない。また、ボウデンやレイノルズといった助っ人投手たちも、期待された活躍ができずに終わり、チームの低迷の原因となってしまった。
投手/右投右打/31歳(1年目)
男前の風貌の割に、それほど結果を残せなかったのがメンドーサだ。4月1日のソフトバンク戦を6回2/3を1失点に抑え、初先発初勝利をマーク。活躍が期待された。ところが、その後は思うように勝ち星が伸びず、4月は1勝4敗。5月と6月はともに1勝2敗、7月は1勝1敗で、8月は0勝3敗に終わった。先日、2カ月ぶりに勝利を挙げて、ここまで5勝12敗、防御率4.19の成績が残っている。
QS(クオリティスタート)率は63.6%とまずまずの成績を残し、先発ローテを守りながら、それほど勝ち星を挙げることはできなかったメンドーサに対して、日本ハムは来季も契約を結ぶのか注目したい。
他にも、オセゲラやバリオス(ともにソフトバンク)といった、自チームの外国人枠を超えることができなかった助っ人もいた。さらにソフトバンクといえば、5月まで4勝2敗と好調だったウルフは右ヒジを故障。また、ロマン(ヤクルト)も右腕の変形性ヒジ関節症を患い、ミレッジ(ヤクルト)は右肩関節・上方関節唇損傷により、両選手とも手術を行い、今シーズンを棒に振ることに。ケガといえば、セス・グライシンガー(ロッテ)に至っては、名前すら聞かなくなってしまった。
こうして振り返ると、今季低迷したチームは総じて、外国人選手が活躍しなかった傾向がある。12球団にとって助っ人たちは、改めて貴重な戦力であることが認識できただろう。
次回はそんな「期待外れ」だった外国人選手の誤算を解消すべく、途中加入で活躍した助っ人たちを紹介する予定だ。
■ライター・プロフィール
鈴木雷人(すずき・らいと)/会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。自他共に認める「太鼓持ちライター」であり、千葉ロッテファンでもある。Twitterは@suzukiwrite