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オリックスの未来が「今」ここにある。奮闘する武田健吾よ、低迷期に差し込む光となれ!

主力の離脱が目立つなか、必死にアピールを続けるオリックス・武田健吾

 5月に入り急失速したオリックス。ロメロ、安達了一の離脱が尾を引いている。また、吉田正尚の復帰もまだ時間がかかりそうな状況だが、そこへ頭角を現してきたのが若武者・武田健吾だ。

サファテに初失点をつけたホームラン


 5月17日の京セラドームでのソフトバンク戦。9回裏、オリックスは2対6と4点ビハインド。マウンド上にはソフトバンクの守護神・サファテ。2死走者なしで打席に立った武田は、カウント3-1からレフトスタンドへホームランを放つ。この武田のホームランは、サファテに今シーズン初の失点をもたらすものだった。

 試合はそのまま3対6で敗れたが、この一発によりオリックスファンは明日への希望、そして、未来を拓く若い力への手応えを感じたのではないだろうか。


1軍で力を発揮できなかった日々


 武田は2012年のドラフト4位で自由ケ丘高校から入団。1年目はウエスタン・リーグで97試合に出場。打率.252、4本塁打、42打点と結果を残し、1軍でも2試合に出場。プロ初安打を記録している。

 2年目以降もファームで好成績を残すが、1軍ではなかなか結果を残すことができない。安打を放っても調子を持続できず、ファームに逆戻りしてはファンをやきもきさせてきた。

U-23でベストナインの活躍


 プロ入り4年目の2016年オフには、WBSC U-23ワールドカップの日本代表に選出。1番で起用され、打率.455、10打点、1本塁打の活躍を見せる。外野手部門の「All-World Team」、いわゆるベストナインに選ばれるなど、リードオフマンとして日本代表の優勝に貢献した。この大会で得た経験は、本人の自信にもつながったようだ。


プロ入り初ホームラン


 今シーズンは、4月12日に1軍登録。4月18日は守備の交代で途中出場。1死二塁のチャンスで回ってきた打席でタイムリー二塁打を放ち、23歳の誕生日を自ら祝った。

 そして、4月20日の東京ドームでの日本ハム戦。武田は8番左翼で今季初スタメン出場を果たす。その第1打席でプロ入り初ホームランを右中間に放ち、期待に応えた。


守備でも活躍


 武田は外野守備もうまい。俊足、強肩のみならず、球の追い方がいいので守備範囲が広い。

 5月16日の京セラドームでのソフトバンク戦。オリックスが3対2とリードして迎えた9回表、ソフトバンクは1死二塁と一打同点のチャンス。ここで、ライト前に落ちようかという飛球を、素早くダッシュした武田が地面すれすれのところで捕球。チームを救う大きなプレーとなった。


将来の中心選手へ


 攻守に活躍する武田は、現在はスタメンで起用されている。しかし、ロメロや吉田正尚が復帰したときに、どんな扱いになるかわからない。しかし、将来のオリックスの中心選手となっていくことは間違いないだろう。今後の成長が楽しみでならない。


文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
関西在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。

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