シーズン打率4割達成と同時に気になるのが、近藤の打率と所属チームである日本ハムの勝率との関係だ。5月25日現在で日本ハムの勝率は.419。3、4月の不調期は脱し、5月に入ってチーム状態が上向いてきたが、近藤の打率を4厘下回っている。
2リーグ制となった1950年以降、個人の打率が所属チームの勝率を上回ったのは、2008年の内川聖一(当時、横浜)のみ。内川が打率.378で首位打者を獲得する一方、横浜は勝率.338で最下位に沈んだ。
近藤の打率が上がるのはチームとしては歓迎材料だが、それに比例してチームの勝率も上がっていかないと、2例目の珍事(?)になりかねない。
また、同様のケースとなりつつあるのが、鈴木大地とロッテだ。貧打にあえぐ打線に投手陣も崩壊寸前。ダントツの最下位となっており、チームの勝率は.273。そして、鈴木大地の打率は.272。わずかに1厘、チーム勝率が上回っている状況だ。
もとより、打線の調子が一向に上向かないので、ロッテはいろんな選手を試しながらオーダーを組まざるを得ない。その結果、ロッテの規定打席到達者は、鈴木だけとなっている。
昨季の鈴木の打率は.285。さすがにチーム勝率が2割後半は考えづらいものの、「まさか」がおこならないことと信じたい……
キャプテンとして孤軍奮闘している鈴木。その頑張りが周囲にいい効果を及ぼし、チーム状態が上がっていくことを期待したい。
(成績は5月25日現在)
文=藤山剣(ふじやま・けん)