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試合を締めるのは投手だけじゃない! “守備のクローザー” 飯山裕志(日本ハム)の安定感


プロ入り19年目のいぶし銀野手


 飯山裕志は1997年ドラフト4位の大ベテラン。守備力に定評があり、内野はどこでも守れるユーティリティープレイヤーだ。長らく「2軍のレギュラー」止まりだったが、2005年以降は貴重なスーパーサブとしての地位を確立した。

 昨季までの通算打撃成績は、865試合で打率.202、1本塁打、45打点。逆説的だが、この程度の打力でいまなお試合に出続けられるという点でも、飯山の守備力の高さがうかがい知ることができるだろう。

 古くは引退した金子誠、現在ではベテランの田中賢介らが安心して試合の終盤に退けられるのも、飯山の守備力があってこそ成り立っているのだ。

近藤健介の三塁手挑戦時に輝きを増した“守備のクローザー”


 飯山の存在感がとくに光ったのは、2014年に近藤健介が三塁手にコンバートされたときだ。

 捕手で選手登録されていたものの打力が売りの近藤は、高校以来の三塁守備にかなりの不安を残した。実際、翌年には三塁手として助っ人のレアードを獲得したわけだから、近藤の三塁手起用は失敗だったといえる。

 当時の試合終盤、三塁守備が近藤から飯山に代わったときのあの安堵感。もはや「守備固め」といった表現では足りず、「守備のクローザー」といっても過言ではない。

打撃も侮れない! 9月中旬までのOPSは天文学的な数字の3.000!?


 前述したように通算打撃ではよい成績を残せていないが、2012年の巨人との日本シリーズで西村健太朗からサヨナラヒット放つなど、ときに飯山は光る打撃も見せた。

 今季は8月3日のロッテ戦が初打席で、見事に二塁打を記録。9月17日の同じくロッテ戦が2打席目となり惜しくも三振に終わったが、この日まで打率1.000、OPS(出塁率+長打率)3.000という大谷翔平も真っ青の成績を残していたのだ。

 日本ハムはルーキーにチャンスを与え続ける反面、ベテランは常に過酷な競争を強いられる。その結果、大引啓次(ヤクルト)や小谷野栄一(オリックス)など、試合の出場機会を求めてチームを去る選手も多くいる。

 そんなチーム方針のもとで、飯山の存在は極めて稀有だ。どうしても目立たない役割ではあるが、「実は奇跡的な守備」を一度は確認してみてほしい。


文=サトウタカシ (さとう・たかし)

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