今週もプロもアマチュアも、野球シーズン終盤の熱い×3の戦いが繰り広げられる!……今週の野球みどころランキング[10月15日(火)〜10月21日(月)]
『今週の野球みどころランキング』は、10月第3週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!
上原が劇的ポストシーズン初勝利
―――MLB
レイズとの地区シリーズ第3戦でサヨナラ本塁打を打たれたレッドソックスの上原浩治だったが、第4戦は田澤純一との日本人リレーで締めた。
2-1の8回1死一塁から田澤が3番手登板すると、レイズの代打、マット・ジョイスを空振り三振に仕留め、続く2死からは上原が登板。上原もデービッド・デヘススを空振り三振に斬って取ると、9回表にレッドソックスが追加点。その裏も相手打線を封じ、最後はまたも空振り三振で地区優勝時に続いて、再び上原の周りに歓喜の輪ができた。
続くタイガースとのア・リーグ優勝決定シリーズでも2人は初戦から登板。田澤と上原はともに無失点に抑えたものの、レッドソックス打線がわずか1安打に終わり、0−1で初戦を落とした。
続く第2戦は6回途中まで1−5と先手を取られていたレッドソックスだったが8回にデービッド・オルティスが同点満塁本塁打を放つと、9回表に上原が登板。三者凡退に抑え、味方打線にさらに勢いを与えると、その裏、無死三塁からジャロッド・サルタラマッキアが二遊間を抜けるサヨナラ打。戦績を1勝1敗に戻すとともに上原に嬉しいポストシーズン初勝利がついた。
一方、ナ・リーグ優勝決定シリーズはカージナルスが新人右腕のマイケル・ワカの好投などで、ドジャースに2連勝している。
東アジア大会で日本代表は金メダルを獲得!
―――社会人野球
社会人選手を中心に構成された日本代表が、第6回東アジア競技大会(中国・天津)で優勝を成し遂げ、JOC派遣大会での金メダル獲得は1994年の広島アジア大会以来19年ぶりの出来事となった。
モンゴル戦、中国戦と連勝スタートを切った日本だが、3戦目のチャイニーズ・タイペイに0−11のコールド負け。マイナーリーガー3人を擁する打線に大城基志(JX-ENEOS)らが打ち込まれ、1988年以来、25年ぶりとなるチャイニーズ・タイペイ戦のコールド負けとなってしまった。
だが日本はその後の、香港戦で18-0、韓国戦で6-3、グアム戦を12-0と連勝し、決勝トーナメントに進出。準決勝で台湾を6−0で下し、予選リーグの雪辱を果たすと、決勝の韓国戦は4-2で勝利した。最終順位は1位日本、2位韓国、3位台湾、4位中国、5位グアム、6位香港、7位モンゴルとなった。
桐蔭横浜大が逆転V、京大は11年ぶりまであと1歩と迫るも……
―――大学野球
関東学院大、横浜商科大、桐蔭横浜大の三つ巴の争いとなっていた神奈川大学リーグだが、最終節前で3位だった桐蔭横浜大が首位・関東学院大に連勝し、2位・横浜商科大も最終節の神奈川大戦で1敗したため、桐蔭横浜大が大逆転で3季連続優勝を決めた。
▲エース・小野和博が不調に喘ぐ中、台頭し、桐蔭横浜大を優勝に導いた横山弘樹[撮影:高木遊]
また最終節3回戦で横浜商科大が神奈川大に勝利し、2位を守った。桐蔭横浜大と横浜商科大が横浜市長杯争奪第9回関東地区大学野球選手権大会(10/30〜11/2で横浜スタジアム)に出場する。
東京六大学リーグも混戦模様。法政大が東京大に船本一樹と石田健大の連続完封で連勝し、3カード目にようやく初の勝ち点を獲得した。
早稲田大vs立教大は1勝1敗で迎えた第3戦。立教大・澤田圭佑、早稲田大は有原航平と初戦と同じ先発投手での投げ合いとなった。両チームゼロ行進で試合は進み、延長戦へ。9回途中から早稲田大は横山貴明にスイッチし、一方、立教大は澤田が投げ続けた。しかし、延長11回裏、早稲田大がエラー絡みで得点し、サヨナラ勝ちして勝ち点を獲得した。早稲田大は優勝戦線に踏みとどまり、立教大は大きく後退してしまった。ちなみに、勝ち投手となった横山貴明は2011年春以来5季ぶりの勝利となった。
関西学生リーグでは京都大が、チーム最終カードで関西大と対戦した。1回戦では、7回裏に京都大・佐藤駿介の犠牲フライで勝ち越すと、投げては7回途中で降板したエース・田中英祐をリリーフした三木健太郎と冨田真吾が好投し、今季初勝利。11年ぶりの勝ち点獲得に王手をかけた2回戦は1−8で敗れ、迎えた3回戦ではエース・田中が1回戦の汚名返上とばかりに1失点の好投を見せるも、この日は打線が沈黙。完封負けを喫し、11年ぶりの勝ち点獲得はまたしても、あと一歩のところで叶わず、今季の戦いを終えた。
愛知大学リーグでは、今秋に1部復帰したばかりの中京大がvs名古屋商科大1回戦で勝利し、9季ぶり34度目の優勝を決めた。
また京滋大学リーグでは京都学園大が佛教大に連勝し、4季連続11度目の優勝を決めた。
駒大苫小牧全道大会V、青森勢の快進撃
―――高校野球
2006年の田中将大vs斎藤佑樹で日本中を沸かせた駒大苫小牧が甲子園に帰ってくることとなりそうだ。来春のセンバツ高校野球の参考資料となる秋季北海道大会で駒大苫小牧が札幌大谷を3-2で破り、8年ぶりの優勝。実に2007年夏以来となる甲子園出場がほぼ当確となった。ちなみに札幌大谷は楽天・田中の妻である里田まいさんの母校でもあり、この夫婦対決? は夫に軍配が上がった。
秋季東京大会も開幕。1回戦では帝京が日大二に3−13(6回コールド)で敗れる波乱があった。その他のカードでは日大三、東海大菅生、二松学舎大付、修徳などが順当に1回戦を突破した。
また秋季東北大会と東海大会も熱戦の火蓋が切られた。
東北大会ではベスト8が決定し、青森山田(青森1位)vs弘前学院聖愛(青森3位)、角館(秋田1位)vs東陵(宮城2位)、酒田南(山形3位)vs八戸学院光星(青森2位)、花巻東(岩手1位)vs日大山形(山形2位)のカードとなった。
特筆すべきは青森勢全3校の準々決勝進出。なお聖光学院(福島3位)は盛岡大付(岩手3位)に敗れ初戦敗退となり、6季連続の甲子園出場が絶望的となった。
秋季北信越大会もベスト8が決定し、地球環境(長野2位)vs日本文理(新潟1位)、北陸(福井2位)vs東海大三(長野1位)のカードとなった。
▲1999年以来、15年ぶりのセンバツ出場を狙う東海大三のエース・高井ジュリアン
津幡と石川県工の公立校が「私学3強」(星稜、金沢、遊学館)を押しのけ、代表となった石川県勢だが、3位で出場した私立の小松大谷も含め3校すべてが初戦敗退となってしまった。
秋季近畿大会出場を賭けた大阪府大会の準決勝では、不祥事の影響で監督と部長が不在のPL学園が、10-0で大阪偕星学園(旧此花学院)を破り、3年ぶりに秋季近畿大会出場を決めた。またもう1つのカードでは4−1で履正社が関大北陽を破り、4年連続の秋季近畿大会出場を決めた。14日の決勝戦では、快進撃を続けるPL学園だったが、4-3で履正社に敗れた。
CS開幕、落合GM・谷繁選手兼任監督誕生
―――NPB
セ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(以下、CS)のファーストステージが開幕。
まずセ・リーグは2位・阪神vs3位・広島の対決。予告先発制をCSでは導入しないセ・リーグでは、阪神が藤浪晋太郎を開幕戦に奇襲先発。相性の良さや勝負度胸を買われての登板だったが、5回にキラに3ランを浴びるなど5回4失点。一方、広島はエース・前田健太が圧巻の7回1失点で4−1の勝利に貢献。
これで勢いに乗った広島は第2戦でもエルドレッドが2回には長打性の当たりを好捕、そして6回に勝ち越しのタイムリーを放つなど活躍し、7−4で2連勝。リーグ優勝した巨人とのファイナルステージに進出を決めた。
一方、阪神は第2戦の最終回2死からに今季限りで引退する桧山進次郎が代打で登場し、ライトスタンドへ追撃となる2ランを放ち追いすがったが、力及ばず。
一方、パ・リーグは2位・西武vs3位・ロッテの対決。
第1戦ではロッテ・井口資仁が第1打席から先制ソロ本塁打、犠牲フライ、タイムリーなど大暴れし、西武先発・岸孝之を5回5失点でノックアウト。8回には、5月の楽天戦で新人野手史上初となる「プロ初打席初球本塁打」を記録した加藤翔平が、このCSでも「初打席で本塁打」となるダメ押し3ランを放つまど11−1でロッテが大勝した。
※公式戦とポストシーズンの試合で、ともに初打席本塁打を記録したのはプロ野球史上初!
迎えた第2戦では西武が意地を見せる。4安打2打点の浅村栄斗を筆頭に先発全員安打の計20安打15得点。投げてはプロ4年目の28歳・岡本洋介が完封し15−0の大勝。戦績をタイに戻した。
第3戦はロッテが鈴木大地、井口のソロホームラン2本で先行した。西武は6回に浅村の犠牲フライで1点を還した。8回表のピンチから、西武の進撃を支えた涌井秀章が登板するも角中勝也にダメ押しとなる2点三塁打を打たれ万事休す。4-1でロッテが勝ち、CSファイナルステージ進出を決めた。
またファーストステージの最中、未消化だったオリックスvs楽天の2試合も行われ、パ・リーグは全日程が終了。それに伴い、全タイトル獲得者も決定した。
まず目を引くのはなんと言っても24勝0敗という前人未到の記録でシーズンを終えた田中将大(楽天)。最優秀防御率(1.27)、最多勝、勝率第1位投手の3冠を飾った。他の投手部門では最多奪三振が金子千尋(200個/オリックス)、最多セーブが益田直也(33S/ロッテ)、最優秀中継ぎが佐藤達也(42HP※/オリックス)となった。
中でも金子は沢村賞の基準となる全項目をクリア。田中の受賞は決定的だが、金子にも投手の最高栄誉である賞が贈られるかもしれない。
※HPはホールドポイントと救援勝利の合計
打者部門では長谷川勇也(ソフトバンク)が首位打者(.341)と最多安打(198本)で2冠を達成。他の打撃部門では本塁打王がミチェル・アブレイユ(31本/日本ハム)、打点王が浅村栄斗(110点/西武)、最高出塁率がエステバン・ヘルマン(.418/西武)、盗塁王が陽岱鋼(47個/日本ハム)となった。
セ・リーグのタイトル獲得選手やタイトル争いの過程などについては
タイトル争奪戦を見てください。
一方早くもCSを逃した球団では来季に向けた編成が行われており、中日は来季、落合博満GM・谷繁元信選手兼任監督で戦うことが発表された。
■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の
『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)
twitter(@you_the_ballad)
女子プロ野球関連
10月25〜27日:「ヴィクトリアシリーズ」@神宮球場
3日とも19時試合開始予定
※詳しくは
女子プロ野球公式HPをご覧ください。
アマチュア野球スケジュール
☆高校野球☆
・来春のセンバツに向けた秋季大会!
北海道大会…優勝:駒大苫小牧
開催中@札幌市円山球場ほか
東北大会(開催地:岩手)
開催中@岩手県営野球場ほか
関東大会(開催地:茨城)
10月26日から@水戸市民球場ほか
東京大会
開催中@神宮球場ほか
北信越大会(開催地:福井)
開催中@福井県営球場ほか
東海大会(開催地:愛知)
10月19日から@岡崎市民球場ほか
近畿大会(開催地:奈良)
10月19日から@佐藤薬品スタジアム
中国大会(開催地:岡山)
10月25日から@倉敷マスカットスタジアムほか
四国大会(開催地:愛媛)
10月19日から@坊っちゃんスタジアム
九州大会(開催地:沖縄)
10月26日から@沖縄セルラースタジアム那覇ほか
★大学野球★
秋季リーグ戦は熱戦の真っ最中!
★明治神宮大会出場校(11月16日〜)
北海道地区代表:道都大
東北地区代表決定戦
10月25〜27日@仙台市民球場
関東地区代表決定戦
10月30日〜11月2日@横浜スタジアム
東海・北陸・愛知三連盟王座決定戦
11月2〜4日@瑞穂公園野球場
関西地区代表決定戦
11月2〜5日@南港中央野球場
中・四国地区代表決定戦
11月5日@東広島アクアスタジアム
九州地区代表決定戦
10月26、27日@福岡工業大FITスタジアム、11月7、8日@福岡ヤフオク!ドーム
※関東地区と関西地区は2校出場。この他に、東京六大学リーグと東都大学リーグの優勝校がそれぞれ出場する。
◎社会人野球◎
10月28日〜11日間
第39回 社会人野球日本選手権
@大阪ドーム
最終予選前に出場権を獲得したチーム
・JX-ENEOS ・Honda
・JR東海 ・JR東日本
・三菱重工神戸 ・日本生命
・新日鐵住金かずさマジック
・Honda熊本 ・NTT西日本
☆日本選手権最終予選結果
北海道代表→室蘭シャークス
東北代表→七十七銀行
関東代表→富士重工業、東京ガス、明治安田生命、JFE東日本、日本通運、セガサミー
北信越代表→バイタルネット
東海代表→トヨタ自動車、西濃運輸、ヤマハ、東邦ガス
近畿代表→パナソニック、日本新薬、新日鐵住金広畑、大阪ガス
中国代表→JFE西日本、三菱重工広島
四国代表→四国銀行
九州代表→JR九州、九州三菱自動車
全日本クラブ野球選手権・優勝:和歌山箕島球友会(日本選手権出場決定)
【プロ野球ポストシーズン情報】
MLBポストシーズンスタート
10月16日〜 CS2ndステージ
10月24日〜 ワールドシリーズ
10月24日 プロ野球ドラフト会議
10月26日〜 日本シリーズ
11月15日〜 アジアシリーズ@台湾
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