今季の西武投手陣を先発試合数順で並べると以下の通りだ。
■2017年 西武投手陣の先発試合数
菊池雄星:26試合
野上亮磨:24試合
ウルフ:23試合
十亀剣:20試合
多和田真三郎:16試合
岡本洋介:12試合
高橋光成:7試合
佐野泰雄:6試合
ファイフ:5試合
誠:1試合
本田圭佑:1試合
ガルセス:1試合
多和田真三郎までの上位5人は防御率3点台をキープし、ある程度の安定感はあったが、6枚目は不安定だった。これが野上の流出でひとつ繰り上がる。5、6枚目の整備は喫緊の課題だろう。
来季が高卒4年目の高橋光成にも期待したいが、右肩の負傷明けでどこまで投げられるかは不明。ドラ1の齊藤大将も谷間争いに加わってほしいが、20試合以上、先発で使えるかは極めて微妙なところだろう。
やはり、ここは実績のある助っ人で埋めるしかなさそうだ。長いイニングを任せられるタフな投手がベスト。西武といえば、いつもの謎の(?)外国人選手にワクワクするのだが、今オフは大枚叩いての本気の補強を願いたい。
今季の西武はリリーフ陣の立て直しが成績に好影響をもたらした。とくに奮闘したのはシュリッターと牧田和久。シュリッターはチームトップの64登板、牧田はチーム2位の58登板でリリーフ陣を力強く牽引した。
しかし、シュリッターは退団が決定し、牧田はメジャー挑戦。2人とも退団となれば、合わせて126回1/3分のリリーフ投手を失う。
そのほかの人材を見ると、守護神の増田達至が57登板、武隈祥太が58登板、平井克典が42登板、野田昇吾が38登板を記録しているが、その後がなかなか続かない。20登板で防御率0.93の成績を残した大石達也が次点だが、ほぼ6人で1シーズンを回したといっていい。
ここも新外国人選手が当たらなければ、なかなか厳しい情勢になる。シーズン終盤にトミー・ジョン手術からの復帰を果たした高橋朋己も頼みの綱になりそうだ。
強力打線とは裏腹に投手陣に爆弾を抱える西武。今オフの動きに注目したい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)