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徳島の有望選手、大会展望

7月12日〜27日(オロナミンC球場)

池田の右腕エース・名西は復調なるのか
鳴門渦潮を引っ張る松田と多田に熱視線


投手編

▲松田知希(鳴門渦潮)


スランプを笑顔に変えろ!

 昨秋、準優勝した四国大会で最速139キロをマークした名西宥人(池田)。同校を22年ぶりの甲子園出場に導いた右腕が大スランプである。安樂智大(済美)同様、肩甲骨を入れての爆発的な腕の振りが、ボールを隠すフォームへの改造で失われたのだ。センバツでの球速は130キロ台前半となり、豊川(愛知)戦後、「腕が振れない」と後悔の弁が続いた。

 春季四国大会・今治西(愛媛)戦でも先発5回1/3で8失点。ただ、チャレンジしなければ課題がわからなかったことも事実。チームメートには、昨秋から同じ苦しみを味わいながら復活を期す渡邊剛志もいる。最後には持ち前の笑顔でマウンドに立ってほしい。

壁を破った鳴門渦潮の大器

 県内右腕の代表格が名西なら、左腕の代表格は松田知希(鳴門渦潮)。141キロのクロスファイアーには定評があったが、制球に難点を抱えていた。それを内外角低めへの投げ込みで克服。左腕の大器はこの春一気に壁を破った。

 同じ左腕では、三木伸哉(徳島商)も鳴門第一中時代から評価が高い。リリースの位置が固まり、ストレートに最速134キロ以上の伸びがこもった。捕手の経験を持つ190センチ右腕・坂東駿もチームメートの脱皮に続きたい。

 好投手はまだまだ続く。制球力を身上とする浮橋遼太(富岡西)は決め球にシュートを使う。最速130キロ前後の近藤敬祐(徳島北)と安丸友耶(川島・左腕)は球速以上に打者を押し込む球威が光る。右サイドの仕事人・真鳥優人(小松島)、2年生右腕の上野大成(海部)、尾崎修志(徳島北)らも腕をぶす。

打者編

▲上田優志(穴吹)


スイッチ転向2日目で一発

 投手としても最速135キロをマークする強肩遊撃手の上田優志(穴吹)。春季県大会準優勝を経て、新たなミッションを課された。

 それは「江原南小学校以来」の左打席となるスイッチヒッターへの転向。これまで高校通算20本塁打のパワーに、スピードを加える狙いだ。

 ところが2日後の練習試合、左打席から放った打球は軽々とライトスタンドへ。「距離感、タイミングが合っている」と矢川雅英監督も認めるセンスで、早くも左打席から2発を放っている。

 なお、最速139キロを出す?橋謙太(生光学園)や、平間隼人(鳴門渦潮)も上田同様センスの高い「遊撃手兼投手」だ。

強肩捕手&俊足選手の競演

「強肩捕手の競演」。主役は多田大輔(鳴門渦潮)。そこに春から準主役となった岡本昌也(池田)、濱口建(徳島北)、主役奪取を狙う森祐大(海部)らが加わり、大ヒット上映中である。

 同時上映は「俊足選手の競演」。徳島北勢は1番の那佐一樹から村井悠一郎、濱口、石優雄一郎まで、高い走塁技術を併せ持つ。城東勢は平松尭樹と河野伸太郎。昨年11月の体力・技術向上研修会で、平松は歴代1位のベースランニング一周13秒72を叩き出した。同じく河野は14秒10。高校通算16本塁打の鈴木凌(板野)も50メートル走6秒1で主演を争う。

大会展望
大混戦に断を打つのは徳島北か


鳴門の独壇場だった過去2年から一転、今大会は大混戦確実。春夏連続甲子園を狙う第1シード・池田はエース・名西ら投手陣の復調なしに4試合を戦うのは厳しい。第2シードの生光学園も主砲の?橋が遊撃手に専念できない事情を抱える。第3シードの鳴門渦潮だが、勢いとタレントは買えるものの守備が脆弱。となると浮上するのは第4シードの徳島北か。守備は平均点ながら2年エース・尾崎修志と近藤敬祐の右腕二枚看板と走塁に強みを持つだけに可能性は十分。


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