山口の有望選手、大会展望
7月12日〜28日(西京スタジアムほか)
山口の隠れエース・酒井が初聖地目指す
好投手を支える捕手陣に好素材が集結!
投手編
▲山野敏毅(西市)
無名校エースvs実力派エース
山野敏毅(西市)は、「第2の平田真吾(DeNA)」の異名を持つ。平田の母校・豊北同様に西市も、下関市郊外に位置する。ロンドンオリンピックマラソン入賞・中本健太郎を輩出したロード練習向きの環境である。走り込みで鍛えた強靭な下半身のキレもよく、130キロ台後半から140キロ台超のストレートに、130キロ半ばのスライダーを投じる。打っても中軸で無名校を牽引する。
山本晃希(熊毛南)も「第2の平田真吾」系だ。昨秋の県大会・準々決勝で、130キロ台後半の糸を引くようなストレートを、左打者の内角に度胸よくついていた。
柳川健大(岩国)は「岩高」史上、屈指の本格派。センバツ出場校として無名校エースには負けられない。甲子園経験を生かし、キレのいいストレートを軸に、スライダーを駆使し、春夏連続での甲子園出場を目指したい。
春季県大会出場組に好素材
秋春連続準優勝の酒井謙多(高川学園)は、全試合登板のタフネスで安定感抜群の「山口の隠れエース」だ。スライダーとシュートを低めに集める。2年時に参考記録ながら完全試合を達成した中嶋和也(下関工)は、努力家エース。ストレートも130キロ台半ばに達し春ベスト4に導いた。中尾龍太郎(宇部商)は、足を上げることで球に伸びも出てきた。気持ちのいい投げっぷりが魅力だ。面白い存在は岡直人(徳山商工)。最速137キロは、見た目には速くないが、打者の手元で球が伸びている。とらえどころのない投手だ。
春に勝ちきれなかったチームの中にも、注目投手が潜伏している。「常磐の快腕」と中学時代から名を馳せていた江口賢太(宇部工)。重いストレートは伸びがあり、タテスラとカーブの落ちる系の球もよい。一冬越えて頭角を現した十河佑輝(宇部鴻城)は、好左腕輩出の伝統を守る。ストレート主体の強気な投球が光る野村健人(南陽工)は、まるで岩本輝(阪神)二世である。
打者編
▲安健太(高川学園)
キーマンとなる好捕手たち
酒井の女房役・安健太(高川学園)は攻守に光る。昨秋好投手・岡(徳山商工)から本塁打を放ったパンチ力に加え、左右に打ち分ける器用さも併せ持つ。酒井への返球はリズムよく乗せ方がうまい。
捕手は人材が多い。強肩の宮崎佑太(宇部商)は、大きく包み込む捕球でストライクゾーンを広くする。末冨裕己(徳山商工)は、チャンスでの集中力が素晴らしい。安冨直人(柳井学園)は三塁手からのコンバートにも慣れ、一気に上昇気流に乗っている。
有力校に好打者が揃う
山口県を代表する左の中長距離砲は、二十八智大(岩国)だ。好調時には誰にも止められない。右なら佐々木大(桜ケ丘)だろう。同校伝統のフルスイング打法を継承する。2年時から打撃センスが光る和崎寛之(宇部工)は、遊撃守備でもチームを牽引。後継者に西村瑛志(下関工)を指名したい。有吉亮太(宇部商)、中村堅哉(南陽工)、湊啓晃(下関工)は俊足巧打の中堅手トリオだ。岩国商の春制覇を支えた雨宮奎太は、泰然自若の1年生で将来性十分だ。
大会展望
優勝候補・高川学園に岩国勢が追走
大黒柱・酒井が磐石なら、秋春連続準優勝の高川学園がダントツの優勝候補だ。エース・柳川と強力打線を擁するセンバツ出場の岩国と春制覇で勢いにのる岩国商が2番手。バッテリー充実の熊毛南、徳山商工とバランスのいい下関工が続く。2季連続県大会出場の宇部商は、調子の波をなくしたい。春は勝ち上がれなかった宇部鴻城、柳井学園、南陽工、桜ケ丘も有望。早鞆、下関国際にも期待したい。西市は投手力でジャイアントキリングもあるだろう。
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