2017年の有馬記念における最大の話題は、キタサンブラックのラストランだ。ここまで最高峰のG1レースを6勝しており、勝てばディープインパクトやシンボリルドルフらと同じ歴代最多タイの芝G1・7勝となる。そんな競走馬としての高い能力に加えて、オーナーはサブちゃんこと歌手の北島三郎氏。人気者にならないはずがない。
そのキタサンブラックの最大のライバルとなりそうなのが、ハマの大魔神・佐々木主浩氏(元マリナーズほか)の所有するシュヴァルグランだ。11月26日に行われたジャパンカップでは、1番人気のキタサンブラック(3着)を撃破して初のG1勝利をマーク。勢いに乗っての連続G1優勝の可能性も十分だ。
果たして、表彰式でマエケンから祝福を受けるのは、サブちゃん率いるキタサンブラック陣営か、それとも大魔神のシュヴァルグラン陣営か。あるいはまったく別なのか!? 注目の大一番は、12月24日に千葉県の中山競馬場で行われる。
なおマエケンは、全レース終了後にパドックで行われる「有馬記念レース回顧トークショー」にも「登板」が予定されている。メジャーリーガーは競馬のビッグレースをどう見たのか。間違いなく興味深い話が聞けるだろう。
今年は12月28日にもJRA(中央競馬)の開催がある。この日は2歳馬の新設G1・ホープフルステークスがメインレースとして組まれている。そして、もうひとつの注目イベントが「ヤングジョッキーズシリーズ」だ。
これは若手騎手だけが出場できる年間を通したキャンペーンとして、各地の競馬場で行われた「トライアルラウンド」のポイント上位14騎手が集う「ファイナルラウンド」。12月27日は大井競馬場、28日には中山競馬場でそれぞれ2レースずつ行われ、最終的なチャンピオンが決まる。
野球界にも「新人王」というタイトルがあるが、これは記者投票。その結果や得票数によっては、ファンの間で議論が巻き起こる年も少なくない。しかし競馬界は、直接対決でハッキリさせようというスタイル。競技の性格が違うのでどちらがいいも悪いもないが、明快なのは競馬の方かもしれない。
JRA唯一の女性騎手としてメディアの露出も多い藤田菜七子騎手もファイナルラウンドまで勝ち残っており、藤田が優勝すれば、大いに盛り上がるに違いない。
その表彰式でプレゼンターを務めるのがヤンキースの田中将大だ。競馬に関しては、年間を通してスポーツ紙でG1予想を披露しているマー君だけに、得意ジャンル。トークショーはないものの、全レース終了後の中山競馬場のパドックで行われる表彰式で、何らかの生コメントが聞ける可能性が高い。
12月24日、28日ともに、競馬場の入場料(200円)だけでイベントを観覧できる。マエケンファン、マー君ファンは見逃せない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)