1956(昭和31)年3月25日、後楽園球場で行われた巨人対中日の一戦は、9回表を終えた時点で中日が3対0でリード。敗色濃厚の巨人だったが、9回裏、粘りに粘って1死満塁のチャンスを作る。投手に打順が回ってきたところで、巨人はとっておきの代打、樋笠一夫を打席へ。樋笠は3球目、高めの直球を強振、左中間スタンドまで運んだのであった。日本プロ野球史上初となる代打逆転満塁サヨナラホームランで、劇的な幕切れとなった。