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石川雅規(ヤクルト)が56年ぶりの11連敗…。今、ヤクルトのベテラン投手陣はどうっている!?

石川雅規(ヤクルト)が56年ぶりの11連敗…。今、ヤクルトのベテラン投手陣はどうっている!?

 9月12日のヤクルト対中日の一戦で石川雅規(ヤクルト)が先発。今シーズン最短となる3回6失点でノックアウトされ14敗目(4勝)。自身11連敗とセ・リーグでは56年ぶりとなる不名誉な記録を作ってしまった。

 今シーズンのヤクルトはクライマックスシリーズ進出の可能性が完全に消滅。本来であれば、来シーズンに向けて若手を起用していきたいのだが、試したい若手の先発が見当たらない……。石川をはじめとしたベテランに頼っているのが実情だ。

 そこで今シーズン、ヤクルト投手陣の年長者たちはどのような状況になっているのかを紹介したい。

現役最多勝の石川は11連敗


 現役通算最多となる156個の白星を積み重ねている石川。2001年のドラフト自由枠で青山学院大からヤクルトに入団。ルーキーイヤーから12勝(8敗)をマークし新人王を獲得すると、昨シーズンまで安定した成績を残し、2ケタ勝利は数えること11回。公称167センチと小柄な体ながら16年投げ続け、「小さな大投手」と呼ばれている。

 しかし、優勝を遂げた2015年に13勝(9敗)をマークして以降低迷している。昨シーズンは通算150勝を達成したものの故障による離脱もあり8勝(8敗)どまり。今シーズンはここまで11連敗を含む14敗。7月8日の広島に敗戦した後は涙を浮かべるほど、状況は深刻だ。

 1980年1月生まれの37歳という年齢からしても、そろそろエースを務め続けるには荷が重くなってきたことは想像に難くない。

 石川の定番ポーズとしてお馴染みなのはマウンド上での「ロジンバッグ吹き」だが、近い将来、あの粉が舞い上がる様が見られなくなるかもしれない。そう思うとヤクルトファンの筆者には寂しいものがある。しかし一方で、チーム力アップのためにも、最年長の石川から名実ともにエースを奪う投手が現れることに期待したい。

不死鳥・館山の復活に期待!


 石川と並び長らくヤクルトの投手陣を支えてきたのが館山昌平だ。「松坂世代」の1980年生まれの館山は日大藤沢高から日本大へ進学。大学時代は村田修一(巨人)、大野隆司(元・ソフトバンク)、堤内健(元・横浜)らと切磋琢磨した。

 2002年のドラフト3巡目でヤクルトに入団後は、2008年から2012年まで5年連続2ケタ勝利。度重なる故障と手術にも負けず、2015年に復活。カムバック賞を受賞し14年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

 しかし、昨シーズンはわずか1勝(4敗)に終わり、防御率7.24と低迷。今シーズンの復活を期したが、ここまで1軍では2試合に登板して0勝1敗、防御率12.00の成績で6月に登録抹消。2軍では13試合で5勝3敗、防御率3.58と一定の成績を残しているものの1軍昇格は見送られている。

 2015年オフに3年契約を結んでおり、来シーズンが契約最終年度。幾度となく復活を遂げてきた「不死鳥」館山の来シーズンに期待したい。


ブルペンの柱でもある松岡健一


 石川、館山につぐ年長者は中継ぎとして活躍する松岡健一だ。入団4年目の2008年から中継ぎに転向すると、2012年を除き毎年30試合以上に登板。今シーズンもここまでで、すでに32試合に登板しており、まさにブルペンの柱となっている。

 近年は、開幕から勝利の方程式の一角に組み込まれることは少なくなった。しかし、故障者が出るなどチーム事情に応じて、一時的に勝ち継投を任されることもある頼れるベテランだ。これからも、伊藤智仁(現ヤクルト投手コーチ)から継承した背番号「21」を守り抜き、引退まで完全燃焼を期待したい。


 低迷が続くヤクルト。真中満監督の退任も決まり、来シーズンはスタッフも刷新されることだろう。そのなかで、投手陣の再建も進められるに違いない。

 チームを支えてきたベテランには敬意を払いつつも、若手が追いつき、追い越していかないことには「再建」は見えてこない。

(成績は9月13日現在)


文=勝田聡(かつた・さとし)

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