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茂木、ペゲーロ、岡島…。楽天の開幕躍進を支えた三銃士が離脱。一昨年の悪夢がよぎる「真の正念場」に

茂木、ペゲーロ、岡島…。楽天の開幕躍進を支えた三銃士が離脱。一昨年の悪夢がよぎる「真の正念場」に

 楽天を優勝争いに押し上げた「開幕ダッシュの三銃士」が、そろって戦線離脱。暗雲立ち込める事態は去る日曜日、7月23日のオリックス戦で発生した。

奇跡を呼ぶ逆転サヨナラ勝利の裏で発生したペゲーロ、岡島の負傷退場


 この試合は、完封ペースのオリックス・西勇輝を島内宏明とアマダーによる「土俵際での一発攻勢」で見事にうっちゃる鮮やかな逆転劇で決着。同日、2位・ソフトバンクが敗れたことで、ソフトバンクとの差を1.5ゲーム差に広げる貴重なサヨナラ勝利となった。

 しかし、この勝利の裏でペゲーロと岡島豪郎の負傷退場したのは、あまりにも痛すぎる代償だった。ペゲーロは盗塁で左ふともも裏を痛めて復帰まで2〜3週間かかる見込み。岡島はファウルを追いかけて外野フェンスに激突。左肩を損傷して復帰まで3週間と報じられている。

 また、ウィーラーが死球をもらい、一瞬、ギクリ……とさせられるシーンもあった。

開幕ダッシュを決めた打の三銃士、茂木、ペゲーロ、岡島の活躍


 楽天が優勝戦線を戦うことができている要因を挙げると、ソフトバンクが14勝12敗と足踏みを続けた3月、4月に、16勝5敗で颯爽と駆け抜けた「開幕ダッシュ」が大きかった。

 その開幕躍進を決めた打撃の立役者こそ、茂木栄五郎、ペゲーロ、岡島の三銃士なのだ。球界の常識を覆す1番・茂木、2番・ペゲーロから始まる超攻撃的打線は、1番打者の経験が豊富な岡島が主に7番、8番といった下位に入り「第2のリードオフマン」を演じたことで「間断のない波状攻撃可能な強力打線」が完成した。

 岡島が下位からチャンスを作ることで、茂木、ペゲーロが事実上のクリーンアップとして機能することも多かった。

 しかし、打率.319、12本塁打、37打点の茂木は右ヒジ痛で交流戦明けから離脱中。そこへきて打率.307、21本塁打、63打点のペゲーロと、打率.274、3本塁打、27打点の岡島までも離脱となり、しばらく、快進撃の原動力となってきた「開幕三銃士」の不在が続く。

 しかも「開幕三銃士」に加えて、藤田一也も腰痛で登録抹消中。この4人が1軍を留守にする期間はどれくらいで済むのか。今後の明暗を分ける「真の正念場」になりそうだ。


2015年の悪夢が脳裏をよぎる…


 楽天ファンには、ある忌まわしき記憶がある。大久保博元監督のもと戦った2015年だ。このシーズン、楽天は交流戦で息を吹き返し、リーグ戦再開後のロッテ戦で3連勝。借金完済して貯金を最多2に伸ばし、3位をゲーム差3.5で追いかける4位につけていた。

 当時、楽天投手陣はリーグ1位のチーム防御率を誇っていた。しかし、「さあ! ここから反撃!!」という矢先に、主力選手が故障で相次いで離脱。銀次、枡田慎太郎、西田哲朗、嶋基宏、伊志嶺忠、藤田の6人が揃って離脱した「魔の15日間」(2015年6月21日〜7月10日)で、チームは3勝9敗1分と急失速。再び借金生活に入り、以降、浮上することなかった。

 7週連続で6連戦日程が続くなかで発生した今回の茂木、ペゲーロ、岡島、藤田の不在。この危機を、より一層、チーム一丸となってしのぐことができれば、楽天の強さは人っ子一人疑わない本物になる。


文=柴川友次
NHK大河ドラマ「真田丸」で盛り上がった信州上田に在住。郷里の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドにみえる、楽天推しの野球ブロガー。開幕前から楽天有利、ホークス不利の前半戦日程を指摘、イーグルス躍進の可能性を見抜いた。

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