3月25日に開幕したプロ野球。今年の本拠地開幕は巨人、阪神、広島、ロッテ、西武、楽天。各球団がそれぞれ大物ゲストを始球式に招いた。今シーズンの幕開けを告げる第一球。今年も『週刊野球太郎』では、独断で開幕戦始球式を採点してみた!
【巨人】桃田賢斗
(NTT東日本バドミントン部)<95点>
昨年の宇津木妙子(元ソフトボール女子日本代表監督)に引き続き、アスリートを招聘した巨人。桃田は2015年にバドミントン界の最高峰のひとつであるBWFスーパーシリーズで優勝するなど、今年のリオ五輪でも金メダルが期待されている新進気鋭の男。藤浪晋太郎(阪神)や大谷翔平(日本ハム)と同級生だ。
サウスポーでゆったりとしたワインドアップからの投球はカーブ軌道で沈みながら外角低めにズバリ。プロ野球選手でも打ち取られてしまうような見事なアスリート投球を見せた。
投球自体は100点満点だが、減点要素は背番号。昨年の宇津木元監督と同じく「2020」だったが、「東京五輪での野球復活」を掲げた昨年に対し、今年は「桃田の東京五輪での活躍を期して」というのが公式の理由として報じられている。野球賭博問題が波紋を呼ぶ中、「野球復活」を大きな声で言いにくかったのかも知れないが、桃田はまずリオ五輪が控えているわけで…。どうしても疑問が残る数字だった。
【阪神】西川貴教
(歌手・T.M.Revolution)<90点>
昨年の倖田來未に引き続き、虎党アーティストに始球式を任せた阪神。今季、阪神は六甲おろしの新バージョン、『みんなで六甲おろし』を制作。西川はそのリードボーカルを務めた。
ユニホームの裾からエプロンなのか何なのか、とにかくコテッコテの虎の顔がのぞく謎の衣装で登場した西川。注目の投球は大島洋平(中日)の内角にチェンジアップが決まった。唯一、残念なのは阪神が敗れたこと。
【広島】松井一實
(広島市長)<100点>
カープの本拠地開幕は広島市長による始球式が恒例。昨年4月に再選を果たした松井市長にとっては、5年連続となるマウンド。63歳になった今年もノーバウンド投球でど真ん中に決めた。さすがの安定感。5年連続ノーバウンド継続中だ。それにしても政治家は始球式がうまい印象がある。
【ロッテ】土屋太鳳
(女優)<65点>
QVCマリンフィールドでは、NHK連続テレビ小説『まれ』でヒロインを務めるなど波に乗っている女優・土屋太鳳が始球式を務めた。21歳とまだ若く、女優ということで眉唾気味に見守ったが、投球はなんとノーバンでミットに到達。陽岱鋼(日本ハム)の頭上を通過したものの、ヘナチョコな投球ではなく、力強さを感じたので65点。各スポーツ紙記者も「ノーバン投球」と鼻息荒く、恒例の見間違え記事を書いた。
【西武】ホラニ龍コリニアシ
(ラグビー日本代表)<70点>
昨年は埼玉出身の競泳・瀬戸大也を招いた西武。今年もご当地アスリート路線を継続し、埼玉工大深谷高〜埼玉工大出身のホラニにマウンドを託した。ゴツい胸板、編み上げた髪、モサモサのヒゲ、助っ人外国人のような風貌でマウンドに現れたホラニだったが、大観衆を前にかなり緊張した様子。プレー中の獅子のような気迫はなく、借りてきた猫状態。
荒々しい投球を期待したが、優しく丁寧に外角ボールゾーンにノーバウンド投球を決めた。トンガ出身のホラニにとって、投げ慣れたボールではなかったはず。その中でも優しさのこもった投球はホラニの人柄が表れていた。
【楽天】藤原紀香
(タレント)<60点>
Koboスタ宮城には真っ赤なエナメルパンツを履いた藤原紀香が登場。どこからどこまでが足なのか腰なのかわからない上、ユニホームを除いた全身が真っ赤な奇抜なスタイル。一目で「楽天カードマン」という言葉が脳裏を駆けめぐり、すぐに画像検索したが、だいたい合っている。「楽天カードウーマン」というイメージなのだろうか。
お尻をプリッと突き出したダイナミックなフォームから投じたボールは外角ボールのエリアに山なり。ギリギリのところでノーバン投球とはならなかったものの、本人は両手を高く掲げて万歳ジャンプの大はしゃぎ。若く見えるが44歳である。嶋基宏(楽天)には喝。頑張ってミットを伸ばせばノーバン投球だった。
文=落合初春(おちあい・もとはる)