7月4日現在、柳田悠岐の打撃成績は打率.304(7位)、本塁打11本(11位)、打点44(8位)、盗塁12(6位)。
トリプルスリーを達成し、MVPも獲得した昨季の数字(打率.363、34本、99打点)に比べると地味な印象は確かにある。
とはいえ、全試合3番でフル出場しているのはパリーグでは柳田のみ。成績だけ見ると調子が悪いなんて言葉が出るはずないのだが、その原因は……山田哲人(ヤクルト)だ。
昨季、柳田とともにトリプルスリーを達成した山田は、今季さらに大躍進。7月4日現在、打率.344、28本塁打、68打点の三冠王。
もっというと盗塁17、出塁率.458、安打100本も1位で六冠王。交流戦ではパ・リーグ全球団からホームランは打つわのインパクトMAXな活躍ぶり。
2年連続のトリプルスリーは、ほぼ確実。ひょっとして柳田がシーズン前に掲げていた40本40盗塁もクリアしそうな勢いだ。
山田の大活躍ぶりは脇に置いといて。現実問題、柳田の2年連続トリプルスリーは可能なのか?
まず、柳田の昨季と今季の月別本塁打と盗塁数をみてみたい。
《昨季》
3月、4月 4本/2盗塁
5月 7本/4盗塁
6月5本/8盗塁
7月5本/3盗塁
8月6本/9盗塁
9月7本/6盗塁
合計34本/32盗塁
《今季》
3月、4月 2本/3盗塁
5月 5本/5盗塁
6月 3本/4盗塁
過去柳田の月間最多本塁打は昨年5月と9月の7本。昨季も今季も月10本と固め打ちがある山田はとは対象的だ。
このままでは打率以外の「スリー」達成は難しいかもしれない。そこで柳田が2年連続でトリプルスリーを達成するための対策を考えてみた。
それは……「四球で出たら常に盗塁モード」だ。
柳田は、開幕から18試合連続四球のプロ野球記録を達成。ここまで72四死球と断然多い。それだけ警戒されているわけだが、意外と盗塁を試みるケースが少ない。
そこで「柳田にワンベースは仕方ない」と思っている相手へ、四球後に果敢にスチールを仕掛ければいい。
盗塁で二塁まで進めば、続く4番打者・内川聖一が相手に与えるダメージは当然大きくなる。
となると、それを防ぐため柳田への勝負機会も増え、ホームランのチャンスも増える。
もし四球で出塁したなら、盗塁数の上積みを狙えばいい。リーグ1併殺の多い内川への負担も軽くなり、いいことづくめだ。
柳田よ! 四球で出たら走るのだ!
それがチームのため。
そして2年連続トリプルスリー達成へとつながる道なのだ!
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理業を営みながら、ライター、イベントなどスポーツ関連の仕事もこなす。北海道生まれなのにホークスファン歴40年。ファイターズファンの多い札幌の地で、開き直ってホークスV3を信じて応援する46歳。