【2018年夏の甲子園 秋田みどころ】人材豊富、中でも伝統校のエース・吉田 明桜・山口の投も含めた完全復帰に期待
投手編〜経験値の高い投手そろう
今年も秋田県は投手が豊富だ。
その代表格は吉田輝星(金足農)。
プロのスピードガンで147キロを計測したといわれるストレートは、打者が差し込まれる強さがある。
ポンポンとテンポよく投げ、打者を自分のペースに引き込む投球術もある。
176センチと決して大きくはない身長を気にさせないくらい、将来性も感じさせる。
昨年からチームの大黒柱として活躍。
今春は19年ぶりの優勝に導き、伝統校の復活を予感させている。
今春のセンバツに21世紀枠で出場した由利工の佐藤亜蓮は、140キロほどのストレートとタテ横のスライダー、カーブ、チェンジアップ、カットボールと豊富な変化球が武器だ。
センバツでは日大三に12安打を浴びたが、粘り強さも見せた。
大舞台の経験値は大きなアドバンテージだ。
左腕ナンバーワンは佐藤開陸(能代松陽)だ。
130キロ後半のキレのあるストレートにスライダーを織り交ぜ、奪三振率が高い。
今春は登板機会が少なかったが、1年から投げ続けており、豊富なマウンド経験もある。
いずれも秋田商出身の石川雅規(ヤクルト)、成田翔(ロッテ)のような「小さな大投手」になれる素材だ。
130キロ中盤のストレートにキレのある変化球を制球よく投げる佐々木駿(角館)。
今春は未登板で明桜に初戦で敗れたが、昨秋は県大会全4試合を投げ抜き、金足農・吉田に投げ勝った。
打順も4番だ。
名門・秋田商の藤田大哉は184センチの長身から角度あるストレートを投げ込む。
春4強入りした大曲の三浦良太はスローカーブが武器で緩急自在の投球を見せる。
同じく大曲の伊藤麟太郎は芯を外した投球で、今春の県大会準々決勝では昨秋王者の能代松陽を6回参考ながらノーヒットノーランに抑えた。
野手編〜山口中心の明桜は能力高い
打者の代表格は山口航輝(明桜)だろう。
181センチ85キロの恵まれた体格でパワフルな打撃。
それでいて、試合中にノーステップ打法に変えるなど、工夫する頭もある。
内角のさばき次第でさらに打撃の幅が広がるだろう。
今でこそ元気に打席に立っているが、昨夏の秋田大会決勝で右肩を負傷。
昨秋はベンチにすら入らず、チームは県8強で敗れた。
守備位置は一塁か外野だが、投手としての復帰も目指している。
明桜は山口だけではない。
1番の岩崎晟吾は出塁すれば二盗、三盗とダイヤモンドを駆け回り、プレッシャーをかける。
2年生で3番に入る加藤洋平は勝負強さがあり、春季県大会では6打点を挙げた。
投手も務める金足農の4番・打川和輝は、185センチ90キロの体格で長打力がある。
3番・吉田とともに打線をけん引する。
土井幹太(由利工)は1番や3番で安打を量産。
センバツでは無安打だったが、大会後に打力アップしたチームを象徴する。
高階陽希(角館)は中学時代に400メートルで県大会優勝、駅伝でも活躍した脚力の持ち主。
遊撃手として肩の強さもあり、1、3番で勝負強さも光る。
原田将宏(秋田商)は先頭打者本塁打もある火付け役。
福嶋祥平(大館鳳鳴)は広角にシャープな打撃ができる。
大会展望〜11年ぶりの金足農、明桜、由利工リードか
甲子園春夏通算8回の出場を誇る金足農が19年ぶりに春を制した。
好投手・吉田を擁し、11年ぶりの甲子園に明るい兆しが差し込んでいる。
春の地区予選、県大会で金足農に連敗している明桜は、リベンジで夏連覇を目指す。
21世紀枠でセンバツに出場した由利工は打力に磨きをかけて春夏連続出場なるか。
この3校を、秋の頂点を競った能代松陽と角館、春に躍進した大曲、強豪の秋田商、大曲工、大館鳳鳴などが追いかける展開となるだろう。
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