■大場翔太(投手・中日ドラゴンズ)
2007年の大学生・社会人ドラフトで6球団競合の末、ソフトバンクへ入団した大場。2011年に7勝を挙げたものの、それ以外は目立った成績を残すことができず、昨年のオフに中日へ。
環境を変えれば……と誰もが思ったが、課題のメンタルを改善できず戦力外となった。
今年で31歳という年齢もあってか現役続行自体が未定だが、このまま終わってほしくない選手の1人である。
■巽真悟(投手・福岡ソフトバンクホークス)
ソフトバンクというと、大場を指名した翌2008年のドラフトで「外れ1位」として獲得した巽真悟も、今年、戦力外通告を受けた。
1軍では24試合に登板して1勝。1位だからといって必ずしも活躍できるものではないが、期待していた分、球団もファンも残念な結果に終わってしまった。
かつては「西口2世(西口文也・元・西武)」、「藪2世(藪恵壹・元・阪神)」
とも称されたことのある男。すでにトライアウト参加を表明しているようなので、崖っぷちからの奮起に期待だ。
■川満寛弥(投手・千葉ロッテマリーンズ)
2012年のドラフトで、ロッテから2位指名を受けて入団した川満寛弥。しかし入団後は制球難に苦しみ、一度も1軍で投げることなくユニフォームを脱ぐことになった。
今季はチームのCS出場決定後に先発の機会を与えられる予定だったが、それも見送られ、ドラフト上位指名の面目を保つことはできずじまい……。
ロッテのトライアウト組というと、昨年、テレビ番組で取り上げられた中後悠平が記憶に新しい。中後はアメリカに渡ってチャンスを手にしつつあるが、川満にはぜひ、日本球界で活路を見い出してほしい。
■川上竜平(遊撃手・東京ヤクルトスワローズ)
山田哲人を獲得した翌年にあたる2011年のドラフトでヤクルトから1位指名された川上竜平。光星学院高(現・八戸学院光星高)からプロに入って5年、今年で23歳とまだ若いのだが、戦力外通告を受けた。
入団時から、かつての主砲・池山隆寛の背番号「36」を与えられたものの、ホームランは2軍の5シーズンで5本。。
元々は足と守りの選手だったが、甲子園大会での打撃開眼が認められてドラフト1位まで評価が急上昇。窮地に立たされた今、かつての打撃を思い出せるか。
プロ野球選手にとって、この仕事は子どもの頃からの夢。ドラフトで指名されることで夢は叶ったわけだが、本当の意味で夢が叶ったと言えるのは1軍で活躍でたときだろう。
今は崖っぷちにいるが、ここから這い上がれば、また華々しい未来への希望が出てくる。再び夢を追い続けるためにも、トライアウトでの活躍を願う。
また当連載では、第2回で再度、トライアウト注目選手を取り上げ、第3回(最終回)でトライアウトの結果をお伝えしていくので楽しみにしていただきたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)