スタンリッジは2007年にソフトバンク入団。その年7勝を挙げるも、08年の成績不振で解雇。10年より阪神タイガースに入団して4年間在籍し、14年より再びソフトバンクの一員となった。
ソフトバンクでも阪神でも、先発投手の一角として活躍。安定した成績を残したスタンリッジ。2008年の成績不振での解雇は仕方ないとして、残りの2回は正直、同情したくなる。
阪神在籍最終年の2013年は、防御率2.74をマークするも、打線の援護に恵まれない試合が多く8勝12敗。オフには呉昇桓とマウロ・ゴメスの入団で、外国人枠から溢れる形で退団。ソフトバンクでも、2年連続2ケタ勝利を挙げたにもかかわらず退団。
「君は必要な戦力だが、我が社の業績が悪くてね」
と、リストラされるサラリーマンや、
「あなたといると楽しいけど、今のままではお互い成長できないから」
と、突然彼女に別れを切り出される、そんな状況に似ている(似てるか?)。
未勝利で終わった2008年を除くと、先発ローテーションに名を連ねて2桁勝利を3回もマーク。8年間で168試合に登板して63勝54敗、防御率3.19と立派な数字を残しているスタンリッジ。
ところが、デーゲームに限定すると、グッと成績が落ちるのだ。
デーゲームでの成績は30試合13勝10敗。一見、そんなに変わらないかと思われるだろうが、防御率は通算より1点近く悪い4.11。早々とノックアウトされたものの、打線の援護のおかげで負けがつかなかった試合も多く、数字以上にデーゲームが苦手といえる。
もう一点、気になるデータがある。2007年8月に先発転向して4連勝。2011年6・7月と2か月連続月間MVPを受賞するなど、夏に活躍することが多いスタンリッジ。しかし9月の成績は27試合に登板して7勝13敗。
2010年と2014年は、いずれも10勝到達後に3連敗を記録。秋が弱いのか、体力が持たないのか、果ては大台到達でモチベーションが下がったのかは不明だが、気になるデータである。
とはいえ、2015年にはロッテ相手に4戦4勝の投手が自軍に入るのだから、ロッテファンもウエルカムのはず。
阪神退団翌年には、交流戦でメッセンジャーと投げ合って、完封勝利を挙げた実績のあるスタンリッジ。
ソフトバンクにも恩返しの白星を挙げることができるか? ロッテvs.ソフトバンクの1回戦は4月5日のヤフオクドームとなる。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。ライター、イベント関連など、スポーツ関連の仕事を精力的にこなしている。北海道生まれなのに、ホークスファン歴約40年。99年ダイエー初Vを福岡ドームで観戦するなど、全国を飛び回りながら、1軍2軍問わずプロ野球を追いかけている。