高校野球の“イマ”にググっとクローズアップしていく「高校野球最前線」。夏の甲子園が100回の記念大会を迎える今年は例年以上に注目度は高まっている。「週刊野球太郎」では「夏まで待てない!」という高校野球ファンのために、最新の高校野球情報を盛りだくさんでお届けしていく。
春季地区大会も終盤。北信越大会決勝は星稜(石川)と佐久長聖(長野)の大一番が行われ、星稜が9対5で打撃戦を制して勝利。センバツベスト8の貫禄を見せた。
今年の高校野球界は大阪桐蔭(大阪)の根尾昂に代表されるスター選手が揃ったミレニアム世代(2000年生まれの3年生)が話題の中心だが、星稜のスーパールーキー2人にも注目が集まる。1年生投手の寺西成騎と荻原吟哉だ。
2人は侍ジャパンU-15にも名を連ねた超有望株。北信越大会決勝では失点を喫したが、初戦の関根学園(新潟)戦は2人で無失点リレーを披露した。
この勢いで夏の甲子園まで駆け上がり、先輩のミレニアム世代から主役を奪う活躍を見せられるか。
札幌第一と札幌日大の札幌決戦となった北海道の決勝は、札幌第一が11対0という大差で勝利。28年ぶり2回目の優勝を決めた。
この勝敗の明暗を分けた要因には、4番打者の成績が挙げられる。札幌第一は柴田颯、札幌日大は小成準と、いずれもプロ注目の左打者が座ったが、5打数3安打5打点と大暴れした柴田に対し、小成は4打数0安打と沈黙。柴田の打棒がチームに勢いをもたらした。
打撃は「水物」で、相手投手の調子にも左右されるが、やはり主役が打つと勝利は近づく。札幌日大は来るべき夏にライバルへリベンジできるか。夏に再戦が実現するならば、要注目だ。
冒頭で触れたが、今年の夏の甲子園は第100回大会という節目の記念大会。従来の49チームに加え、埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡にもう1つ出場枠が追加。総勢56のチームが聖地に集う。
夏の甲子園の歴史を紐解いても最多の参加校数。例年以上の激戦が繰り広げられるのは間違いない。また節目の年を迎えるにあたって各都道府県の優勝旗も新調。さらに夏の甲子園優勝校に渡される深紅の大優勝旗も1200万円かけて新調された。まっさらな旗をつかんで勝どきを上げるのは、いったいどのチームだろうか。
6月23日の沖縄大会を皮切りに始まる、夏の甲子園ロード。その後の本番を含めても、あっという間に過ぎ去ってしまうだろう。
しかし、だからこそ、ミレニアムでプレミアムな夏をしっかりと脳裏に刻みつけようと思う。それがこの時代に生まれ、野球を好きになったものの使命かもしれないから。
文=森田真悟(もりた・しんご)