昨季の大型連敗といえば、7月15日から8月4日にかけて喫した13連敗。
1979年の球団創設元年に記録した12連敗を塗り替える不名誉記録なのだが、実は13連敗の前に白星を1つ挟んで4連敗していたので、最大で18連敗する可能性もあった。
もちろん順位も急転直下。昨季、セ・リーグ首位で交流戦に突入したDeNAが、12連敗で貯金をすべて吐き出してBクラスに転落したことも話題になったが、それに匹敵する衝撃である。
ちなみに、この時の連敗ストッパーは菊池雄星。楽天戦から始まった悪夢の時間を、楽天戦で止めてみせた。
2014年シーズンは4連敗を4回していた。
最初に昨季の13連敗を持ち出すと、今はもう何が起きても軽く思えてしまう。いっそ「伊原春樹監督、休養しなくてもよかったのに」とさえ思ってしまうから不思議だ。
ただし掘り下げていくと、2014年に喫した4連敗は4回中3回が伊原政権でのことなので、「休養やむなし」と前言撤回。
田邊徳雄監督にスイッチしたあとも、もちろん連敗はあった。しかし4連勝を2回するなど盛り返す気概もみせたので、ファンもなんとか溜飲を下げらた。
2013年シーズンの大きな連敗は、5連敗が1回、4連敗も1回というもの。ただ連敗しても、その前に連勝したり、あとで逆に連勝して取り返すなど、負けっぱなしではいないという闘争心が感じられた。
奇しくもこの年は、「やられたらやり返す。倍返しだ」のセリフで話題になった、ドラマ『半沢直樹』が放映されていたので、世相を反映していたのかも?
ちなみに5月28日から6月9日の間に、5連勝からの5連敗を喫したのだが、この時は、菊池雄星で始まった連勝を菊池雄星が止めて、菊池雄星から始まった連敗を菊池雄星が止めるという「1人舞台」だった。
とはいえ、2013年シーズンは、最終的には2位でフィニッシュしただけに、ここ数年に比べると落ち着いた気持ちで成績を振り返ることができる。
ここまで過去3年の連敗事情を振り返ってみたが、2013年を最後にAクラスから離れている西武の意味がわかった気がした。
Aクラスの常連だったころは、連敗しても失った白星を取り返すパワーがあったが、今はやられたらやられっぱなしというイメージ。「負け癖」がついたとは思いたくないが、事態は思っているよりも深刻かもしれない。
7月3日に勝ったことで連敗は5でストップしたが、ここからいかに盛り返せるか。それによって、気が早いかもしれないが、来季の運命も決まる予感がする。
文=森田真悟(もりた・しんご)