高橋由伸の何が「教科書」なのか? といっても、現在の監督業についてではない。現役時代の高橋由伸“選手”を指してのことだ。
この日のトークイベントは、ホストが「乾杯!ほろ酔いプロ野球部」の部長である里崎氏。そしてゲストが野村氏と仁志氏。ホストである里崎部長が、ゲストの「現役時代にスゴイ!と思った選手」について聞くコーナーでの一コマだった。
ちなみに、クイズ形式で4問出題された。
【問題1】
野村弘樹が「集中している時は隙を感じなかった」と絶賛するバッターは?
【選択肢】A:落合博満 B:鈴木尚典 C:前田智徳
【問題2】
仁志敏久が「バットの出方が天才だった」と賞するバッターは?
【選択肢】A:高橋由伸 B:古田敦也 C:今岡誠
【問題3】
野村弘樹が、ブルペンでの投球を見て「当たれば死ぬ」と思ったのは誰のストレート?
【選択肢】A:与田剛 B:伊良部秀輝 C:石井一久
【問題4】
仁志敏久が「ゲームのようなピッチング」と感嘆する先発投手は?
【選択肢】A:山本昌 B:斎藤雅樹 C:川上憲伸
正解を予想していただきながら、順を追って見ていきたい。
【問題1】
野村弘樹が「集中している時は隙を感じなかった」と絶賛するバッターは?
【正解】C:前田智徳
野村:集中して打席に入られたら、一番投げにくいバッター。でも、4、5点離れた8回くらいの打席なら、一番打ち取りやすいバッター(笑)。もう、わかりやすい! 「勝敗決まったな」という場面なら、外にスライダーを投げておけばセカンドゴロ。でも、「得点圏でここや!」というときは、もうスキがなかったです。
【問題2】
仁志敏久が「バットの出方が天才だった」と賞するバッターは?
【正解】A:高橋由伸
仁志:練習のときにゲージの後ろでよく見ていましたが、理想的。もう、由伸は教科書なんですよ。トップの入り方、形、バットの出方。アウトコース高めを逆方向に打つ技術……。「こいつには叶わない」と思いましたね。こんなキレイな打ち方をする選手は初めて見ました。本当に、天才ですよ。
【問題3】
野村弘樹が、ブルペンでの投球を見て「当たれば死ぬ」と思ったのは誰のストレート?
【正解】A:与田剛
野村:自分
の現役当時、ナゴヤ球場は中止になると室内練習場に移動してたんです。そこでは、構造的に敵チームの練習も見ることができたんですね。そこで与田さんが投げているのを見ました。僕がその投球を見て、「やっばいなぁ……」とつぶやいたら、たまたま横にいた(当時の中日監督)星野監督がひと言、「死ぬな……」と(笑)。
【問題4】
仁志敏久が「ゲームのようなピッチング」と感嘆する先発投手は?
【正解】B:斎藤雅樹
仁志:僕は斎藤さんの後ろで守っていましたが、斎藤さんのスライダーは、「ファミスタ」のスライダーそのまま! だって、右バッターの背中の方からググっと曲がるんですよ。加えて、サイドスローなのにストレートは145キロを超えていて、外の球は自然にスライドして、インコースの球はちょっとシュート回転して胸元をつく。斎藤さんが投げるときは、守ってる皆が「もう勝ったな」と言ってましたから。
プロが語る、プロのすごさ。本音トークが売りのトークイベント「里崎智也のプロ野球語り呑み」ならではの驚きのエピソードの数々に、満員の観客も大いに盛り上がりをみせた。
この「里崎智也のプロ野球語り呑み」では、すでに次回イベント詳細も決定。今度は6月23日(木)、元ソフトバンクのスーパーエース斉藤和己氏がゲストとして登壇し、ホストの里崎智也氏との熱いトークを展開する。交流戦直後ということもあり、交流戦ハイライト、今後のペナントの展望など気になる話題がてんこ盛りになるはずだ。
「里崎智也のプロ野球語り呑み」について、詳しくは公式サイト(https://bukatsu.hikaritv.net/campaign/0016/index.html)でチェックを!
(文中、一部敬称略)
取材・文=オグマナオト(おぐま・なおと)