【2015夏の高校野球】《山梨観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド

2015/6/29

7月11日〜26日（山日YBS球場ほか）

プロが注目する帝京三・茶谷の逸材ぶり
強力打線で4季連続優勝狙う東海大甲府

●強豪校に目立つ右腕の好素材

　山梨県初の夏秋春連続優勝を果たし4季連続を狙う東海大甲府。2年生エース・菊地大輝は、145キロの重いストレートと抜群のマウンド度胸で三振を量産する。同じ2年生の松葉行人は、精度の高い多彩な変化球を投げ分ける。

　帝京三の絶対的エース・茶谷健太は、185センチ85キロの恵まれた体格から140キロのストレートと切れ味鋭いツーシーム、フォークを投げ込むプロ注目の逸材である。控えの松崎優太、水上由伸もストレートには力があり、短いイニングなら任せられる。

　甲府工はタイプの異なる3投手で優勝を狙う。左腕の土橋紋人は緩急をつけバットの芯を外す。右腕の三澤一樹は130キロ台後半のストレートで勝負し、坂本光はコントロールが身上だ。

　甲府城西の石原拓実は球持ちがよく、スリークオーターから打者の手元で伸びるストレートとスライダーを中心に凡打の山を築く。

　日本航空は2年生トリオに注目だ。片岡優大は右の本格派で、強気に攻める投球に将来性を感じる。川上蓮は右のアンダースローで、緩い球と浮き上がるストレートを巧みに操り打者に的を絞らせない。

　153センチの小柄な佐藤佑成（都留・2年）は、120キロ台のストレートと80キロ台の変化球で打たせて取る。秋春とケガに泣いた日川の大黒柱・小澤巧平は2年のときから注目されていた逸材で、140キロ前後のストレートを武器に最後の夏に懸ける。昨秋ベスト8に導きながら春は不調だった吉田のエース・渡邊健太はストレートと変化球の制球力を磨き、平成元年以来の甲子園出場を狙う。甲府商は山本恭輔、石川大、清水晟大と継投で頂点を目指す。

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●実力校に多い迫力ある打線

　東海大甲府は近年まれにみる強力打線で、中でも左の高部瑛斗、平井練、宮川一駿に、右の五十嵐誉、飯塚隆哉が並ぶ中軸は全国屈指の破壊力だ。沖野谷翔太、亀田啓太は、攻守ともに1年生とは思えない動きで、将来性十分である。

　甲府工は、小技のできる小俣賢太、長短打を量産し勝負強い主将の佐野快斗、パワフルな打撃の深澤直人、春季大会打率8割超の清水寛太とつながる打線に機動力があり、得点力は高い。帝京三は、主将の山本航世、坂本寛太、水上由伸など上位打線が、打者でもプロ注目の茶谷の前にどれだけ出塁できるかが大きなポイントとなる。

　日本航空のクリーンアップを打つ杉村真之介、浅野明良、森奨太はスイングが力強く、その長打力で一気に試合の流れを引き寄せる。昨年からマスクをかぶる小西雄大が2年生投手陣をリードする。

　甲府城西には8人の左打者が並ぶ。主将の保坂拓実をはじめ長澤大吾、長田有司らが機動力と小技を武器にチャンスを作り、勝負強い中軸の大塚誠弥、輿水大輝で得点する。課題は左対策で、右に代打の切り札がほしいところだ。

　日大明誠の俊足外野手・大神田丈は、守備範囲は広くバットコントロールもいい。堅実な守備とシュアな打撃の甲府商・水上拳希、笛吹のエースで4番の小林永人、昨春センバツに出場した山梨学院大付の強肩捕手の加々美啓太と好打者の滝澤虎太朗にも期待したい。

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●東海大甲府がダントツの優勝候補

　2年連続出場を狙う東海大甲府が大本命。昨夏の甲子園メンバーをはじめチーム内で激しい競争が行われるなど選手層は厚く、スキがない。甲子園でも上位に食い込める戦力だ。第2グループ以降は混戦が予想される。帝京三は大黒柱の茶谷次第か。甲府工は3投手の継投がポイント。2年連続決勝で涙を飲んだ日本航空は新監督を迎え7年ぶりの聖地を目指す。これに近年力をつけている甲府城西、試合巧者の日川、1、2年生中心の山梨学院大付、伝統校・甲府商などが続く。