昨シーズンは源田壮亮(西武)、京田陽太(中日)と両リーグともに遊撃手が新人王に輝いた。その遊撃手で今シーズンも新人王が生まれそうな気配が漂う。ロッテのドラフト2位・藤岡裕大だ。
亜細亜大時代に悔しい指名漏れを味わった藤岡は、トヨタ自動車へ進むと源田とチームメートとなった。1年目は練習では遊撃も守りながら、試合では出場機会を求めて外野に就いたが、源田がプロ入りを果たした2年目は遊撃一本に絞り、守備に磨きをかけた。その後、先輩・源田を追うようにプロ入りを果たした。
昨シーズンのロッテは、平沢大河ら若手の遊撃候補がいずれもレギュラーを獲得するには至らず、固定できなかった。今シーズン、藤岡はネックとなっている遊撃レギュラー候補に早々と名乗りを上げ、オープン戦の開幕戦でスタメンを勝ち取ると、3安打、2打点の好スタートを切った。
昨シーズンの源田、京田はオープン戦の初戦で安打を放った後、オープン戦を通じて結果を出し、開幕スタメンを勝ち取った。いい流れでスタートを切った藤岡もこの勢いを持続させ、開幕1軍からスタメンの座をつかみ、新人王を目指したい。
DeNAの大砲候補・楠本泰史にも注目したい。楠本は侍ジャパン大学代表の4番を務めた打撃力がありながら、ドラフト会議終了間際の8位で指名された。守備面が、下位指名となった要因だろう。
春季キャンプで1軍メンバー入りを果たした楠本は、練習試合で2試合連続本塁打を放つなど、持ち前の長打力を発揮。1軍帯同を勝ち取った。その後、オープン戦でも序盤から活躍し、6試合で打率.625、1本塁打と好成績を残している。この流れは、ドラフト9位という下位指名ながら、開幕1軍入りを果たした昨シーズンの佐野恵太と酷似している。
佐野は、守備は決してうまいとはいえなかったが、打撃一本で結果を出して1軍切符を手に入れた。1軍では思うような結果を出せなかったものの、今シーズンもチャンスを多く与えられており、ラミレス監督の期待は大きい。楠本も佐野のように打撃一本で開幕1軍切符をつかめるか。
現時点のオープン戦の成績だけでは、まだまだ新人の評価を下すことはできない。しかし、試合に出場し結果を出し続ける限り、評価が下がることはないだろう。藤岡、楠本ともに開幕1軍だけではなく、スタメンを勝ち取って欲しい。
(※成績は3月10日現在)
文=勝田聡(かつた・さとし)