首位・巨人の先週の戦績は4勝2敗。優勝マジックナンバーは「12」から「5」へと順調に減らしている。特にケガから復帰した菅野智之と、復調しつつあるエース・内海哲也がともに2連勝を飾ったのは、ポストシーズンの戦いを考える上でも非常に大きい。
また、復調という意味では主砲・阿部慎之助がここに来て調子を上げている。先週1週間の成績は21打数5安打と安打こそ少ないものの、2本塁打8打点。勝負どころの試合後半でしっかり結果を出している。チーム全体でも打率はリーグワーストの.255だが、ここが勝負所! という場面でしっかりと点が取れる効率の良さはさすがだ。
追いかける立場の2位・広島は先週に引き続いての3勝3敗。特に巨人相手に1勝2敗と負け越したのが痛い。首位巨人とのゲーム差は「6」に広がり、3位・阪神との差はわずか「1.5」。ここからは2位・3位争いが熾烈を極めるかもしれない!?
その3位阪神は先週4勝2敗とようやく調子を取り戻してきた。じわりじわりと詰め寄られつつあった4位とのゲーム差も再び「6.5」まで広がっている。
Bクラスでは、中日がDeNAとの直接対決を勝ち越して久しぶりの4位浮上。5位・DeNA、最下位・ヤクルトは先週ともに2勝4敗だった。特に、一時は3位も狙えるか!? という勢いを見せていたDeNAはここに来て3カード連続で負け越し。CSへの道はなかなかに険しい。
パ・リーグの灯は消さない。ソフトバンクとオリックスの優勝争いは、近年希にみる大激戦を繰り広げている。今季最後の天王山といわれた9月16日からの直接対決3連戦は、2勝1敗でオリックスが勝ち越し。初戦を落としたオリックスは、翌日の試合以降、負けるか引き分けるかで、ソフトバンクにマジックが点灯するはずだった。しかし、オリックスは2日連続でこれを阻止。首位ソフトバンクとはゲーム差2.5で踏みとどまった。
そして迎えた次カードでは、ソフトバンクは西武と、オリックスはロッテと対戦。ともに初戦を落とし、20日の2戦目はなんと両チームとも痛恨のサヨナラ負け。この日はパ・リーグ史上2度目の、全3試合がサヨナラ試合となる珍事となり、CS出場をほぼ手中にしている日本ハムも、楽天に敗れて優勝の望みが完全に絶たれた。
しかし、21日の試合ではソフトバンクはスタンリッジ、オリックスはディクソンの両外国人投手の力投で、両チームとも勝利。結果、2.5ゲーム差は変わらず、マジックは未だに点灯していない。23日からの試合でソフトバンクが連敗してオリックスが連勝すると、オリックスに逆転でマジック8が点灯。残り11試合でオリックスが奇跡を起こせるか、大注目だ。
打点王争いの動きが活発になってきた。まずはトップを走る阪神のゴメス。1週間で打点を7積み上げ、両リーグ1番乗りでの「100打点」を達成。現在、「104」まで伸ばしている。ちなみに、阪神の助っ人外国人選手で来日1年目に100打点を達成したのはゴメスが史上初めて。あのバースもできなかった偉業を達成してしまった。
そして、追いかけるのが広島の主砲・エルドレッド。夏場以降、不調続きで2軍生活を送っていたエルドレッドがようやく復調してきた。9月15日に半月ぶりに1軍に復帰すると、1週間で5打点を追加し、現在「96」打点としている。
ちなみに、本塁打王争いではトップを走るエルドレッド。2位につけていたバレンティン(ヤクルト)がアキレス腱痛の手術のためチームを離脱し、今季はもう出番がない。3位・山田哲人(ヤクルト)との差は10本あるだけに、初の本塁打王はほぼ決まりだろう。あとは逆転での打点王奪取で、2冠王達成なるかどうか、というところ。
優勝争いと同じく、パ・リーグの首位打者争いも大変なことになっている。今季、長らく首位をキープしていたオリックスの糸井嘉男の打率を、21日の試合で楽天の銀次が逆転。前日の試合までに、糸井が.32188、銀次が.32183と、その差わずか5糸差に迫った銀次が、4打数4安打の固め打ち。糸井を抜いて、ついにリーグトップに躍り出た。銀次は8月30日にようやく打率3割に乗せ、約1カ月で.328にまで上昇させた。