■2017年成績
36試合:0勝2敗/21ホールド/1セーブ/防御率3.31
谷元は押しも押されもせぬ日本ハムのセットアッパー。オールスターゲームに出場した選手が同シーズン中にトレードに出されるのはNPB初の出来事だという。
ファンの心中はお察しするが、これが日本ハムのハイブリッド経営。少なくとも新球場ができるまでは「プロビンチアの手法」(※)に耐え、慣れなくてはならない。
実に衝撃的だが、悪いことばかりではないだろう。昨年の日本一もドラスティックな切り替えが実を結んだ結果だった。
ズバリ、「ポスト・谷元」は誰になるのか。繰り上がりでチャンスが巡ってくる選手をチェックしたい。
(※プロビンチアの手法=サッカー・セリエAで主に使われる用語。地方都市の中小クラブが主力選手をビッグチームに放出することで資金を得て、経営を成り立たせる手法のこと)
■2017年成績
39試合:2勝2敗/7ホールド/防御率2.89
谷元に代わるセットアッパーの第一候補に挙がるのはやはり鍵谷陽平だろう。昨季も48試合に登板してリリーフ陣を支えたが、今季も前半戦から投げまくり登板数を増やした。ただ成績は上々だが、6月25日に疲労の蓄積で1軍登録抹消。7月18日に再昇格したが、24日にまた2軍に戻っている。
投げ疲れしないスタミナを手にすれば、ポスト・谷元の本命になれるのだが……。
■2017年成績
30試合:0勝0敗/7ホールド/防御率3.45
高卒3年目、年齢的にも期待が注がれるのは石川直也だ。昨季、最終戦で1軍デビューを果たしたばかりだが、今季はビハインド時を中心に出番を増やしている。6月は2軍で調整したが、大事に使われている証。セットアッパーとしての才能もあるが、最近の日本ハムの“昇進システム”を考えると一度、先発転向もありそう。
■2017年成績
11試合:0勝0敗/0ホールド/防御率2.92
大卒2年目の田中豊樹も出場機会を増やしている。7月6日に1軍に登録されるとさっそく好投。150キロ超のストレートを武器に12回1/3を投げて15三振を奪っている。谷元の放出に踏み切ったのは、田中の好投も一因だろう。
■2017年成績
11試合:1勝1敗/1ホールド/防御率4.76
谷元がトレードで放出された翌日、1軍に再昇格したのはルーキー・玉井大翔。今季は6月に石川直也との入れ代わりで1軍に昇格し、キレのある球筋を披露していた。ルーキーではあるが25歳とやや年齢は高め。舞い込んだチャンスを生かしたい。
(成績は8月1日時点)
文=落合初春(おちあい・もとはる)