【2018年夏の甲子園 福島みどころ】大型左腕・永成などいい素材型投手点在 打線が強い聖光の軸は強打の二塁手矢吹
投手編〜カギを握る磐城の3投手
この夏、投手陣の充実を予感させるのが磐城だ。
故障明けのエース・小山泰生が、県大会3位決定戦で延長13回を完投するなど完全復活。
最速139キロのストレートに2種類のスライダーを織り交ぜた投球は円熟味を増した。
春はエースナンバーを背負った135キロ右腕の大久保雅史、左のサイドスロー・佐々木祐人も計算が立ち、彼らの出来が命運を握る。
11連覇中の聖光学院は選手層の厚さで夏を乗り切る。
センバツ出場の立役者である衛藤慎也、上石智也が故障。
高坂右京もコンディションが万全ではないなか、2年生左腕の須藤翔と4月から投手に復帰した川口堅が踏ん張り、春の福島を制した。
主力の3投手が復活すれば、夏の12連覇は一気に現実味を帯びてくる。
学法石川も投手力で勝負できる。
エースで主将の永成廉はプロも注目する大型左腕。
春はフォームのばらつきが目立ち本調子ではなかったが、ストレートには威力があり波に乗るとやっかいな存在だ。
2番手の左腕・関口夏輝も昨冬に下半身や体幹を鍛えた成果が春に表れ、常時130キロ台中盤を計測。
二枚看板が機能すれば、19年ぶりの甲子園も夢ではない。
シード権は逃したが、東日本国際大昌平は経験豊富な志賀恒太と2年生の村上椋音。
日大東北も2年生の磯上航希、古川蓮がおり、投手陣を起点にリベンジを果たす。
今年の福島は、絶対エースの存在にも注目が集まる。
昨秋からマウンドを守り続ける小椋瑠偉(光南)は、切れ味鋭い130キロ台後半のストレートが武器で完投能力も高い。
椎名孔智(湯本)は2種類のカーブにスライダー、チェンジアップを操る技巧派左腕。
ストレートが魅力の松橋闘志也(勿来工)と藤田正樹(帝京安積)、サイドスローながら力強いボールで相手を翻弄する伊藤茉央(喜多方)も夏の躍進を誓っている。
野手編〜聖光学院は強力打線が健在
打線の充実度ならば聖光学院が他を圧倒する。
高校通算28本塁打の矢吹栄希を筆頭に、五味卓馬、須田優真の中軸は破壊力抜群。
上位を担う横堀航平、田野孔誠はバントや逆方向の打撃など自在の攻撃パターンを誇り、下位には勝負強い打撃の大松将吾が君臨。
切れ目のない打線で主導権を握る。
学法石川は個性が光る。
1年生から中軸を担う藤原涼雅は、2年春の現時点で高校通算15本と着実に本塁打を量産中。
コンディション不良で春季大会での出番は少なかった巧打者・高木大介も、復調すれば相手にとって脅威の存在となる。
近藤琢磨(磐城)はチームの潤滑油となる打者だ。
準々決勝から6打席連続安打、タイブレークとなった春季県大会3位決定戦でサヨナラ打を放つなど、3番としての役割を全う。
週1回の加圧トレーニングの効果もあり、上り調子だ。
主将で4番も任される阿蘇航新(福島商)は、変化球で崩されても芯で捉えられるミート力がある。
夏は5割以上の打率を目標に掲げ、志は高い。
2年生から正捕手を務める石川偉央里(福島東)は、相手打者の力量を冷静に分析するリードが身上。
公立の「下剋上」には欠かせない選手だ。
大会展望〜聖光の12連覇を脅かすのは?s
センバツ出場、春季県大会を制した聖光学院も夏は厳しい戦いが予想される。
衛藤、上石の故障、高坂も出遅れているため、打線の奮起は欠かせない。
「打倒聖光」に燃える学法石川も打線に厚みがあり、エース・永成と関口の左腕二枚看板が機能すれば夏制覇が見えてくる。
安定した投手陣の磐城、絶対エースの小椋を擁する光南、エース・椎名が牽引する湯本は打線がつながれば上位進出は間違いない。
ノーシードで夏を迎える東日本国際大昌平、日大東北にもチャンスがある。
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