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高校野球・神奈川頂上決戦はいかに?その頃、原巨人では東海大相模OBがひっそりと……

【この記事の読みどころ】
・神奈川王者まであと一歩!東海大相模の決勝までの道程
・一方の原巨人は混セを抜け出せず
・東海大相模の甲子園出場を願う原監督の心中は?

 神奈川大会も、いよいよ大詰め。頂上決戦が近づいてきた。7月27日には準決勝が行われ、第1試合は横浜が桐光学園を延長の末に下し、まず決勝進出を決めた。そして、本企画注目の東海大相模は、日大藤沢との第2試合に登場。

 今大会でのここまで5試合はすべて4点差以上をつけて勝利している東海大相模。3回戦の住吉戦、準々決勝の平塚学園戦など、厳しい展開のゲームもあったが、苦しみながらも終盤の集中打で突き放し、終わってみれば圧勝、と言っていいスコア。第1シードにふさわしい戦いぶりで勝ち上がってきた。

 対する日大藤沢も、準々決勝までの5試合中4試合で4点差以上の勝利。バットは振れている。また、チームを率いる山本秀明監督は、プロ野球界のレジェンドである山本昌(中日)の実弟であることも話題となっていた。

東海大相模に死角なし?


 こんな両チームだけに接戦が予想されたが、試合展開は意外にも一方的に。初回に4番の豊田寛のライトポール際への2ランで先制した東海大相模は、3回にも5番の磯網栄登のタイムリーなどで2点を追加。5回には3番の杉崎成輝、6番で主将の長倉蓮にもタイムリーが飛び出し、さらに4点追加。中軸がしっかりと仕事をした東海大相模が圧倒。日大藤沢は7回に1点を返すのがやっと。7回コールド、8−1という大差での幕切れとなった。

 投手陣も、先発した吉田凌が7回途中まで1失点。タテに大きく変化するカーブとスライダー、140キロ前後のストレートを効果的に織り交ぜ、日大藤沢打線に付け入る隙を与えなかった。最後に登板した2年生の北村朋也も打者1人だけの投球だったとはいえ、直球は144キロを記録。試合を締めた。


▲吉田凌

 決勝は、東海大相模対横浜という神奈川の名門校対決が実現。両校ともに勢いはあるが、普通に考えれば、やはりまだ東海大相模優勢だろう。準決勝で小笠原慎之介を休ませることができ、吉田、北村も余力十分でスタンバイしている。打線も好調をキープしており、強力な2枚看板+1の投手陣も擁する東海大相模が優位に試合を運ぶだろう。

 対する横浜は、おとなりの特集にもあるように、渡辺元智監督のラストサマー。だからなのか、5回戦、準々決勝、準決勝とここ3試合がすべて1点差の逆転勝ち、という神がかり的な勝ち上がりを見せている。野球の神様が「渡辺監督の采配を甲子園でも見たい!」と考えれば、横浜が代表の座を勝ち取るかもしれない。

 いずれにしても、泣いても笑っても一発勝負の決勝戦。両校の選手たちが力を出し切る好ゲームを期待したい。

一方の原巨人では、東海大相模OBが……


 一方、本企画の片翼、原巨人の動向はといえば、これが大混戦のセ・リーグを象徴するように、一進一退を繰り返している。オールスターゲームから2カードを消化。甲子園に乗り込んだ20〜22日の阪神戦は1勝2敗と負け越し。そして、マツダスタジアムでの3連戦は2勝1敗。24日は東海大相模出身・菅野智之の8回無失点の力投もあって2−1で勝利。25日も3−2と競り勝ち、波に乗っていきたいところだったが、3試合目は0−5と零封負け。3タテはならなかった。


▲菅野智之

 7月26日の試合を終えた時点で首位・ヤクルトから2ゲーム差の3位。この先、どう転ぶか、まだまだ見えてこない状況だ。

 東海大相模と原巨人の関係性を探るこの企画。今週、実はこんな出来事も起きた。東海大相模OBの大田泰示が、ひっそりと2軍落ちしていたのだ。

 これは26日の広島戦に先発した田口麗斗の1軍昇格に伴うもので、あくまでも「チーム事情」との情報。最近は、代打として2試合連続安打を放っていた大田。ここまで45試合で自己最多の111打席、打率.279、1本塁打、2打点を記録していた。しかし、客観的にみても、多士済々の野手陣がそろう原巨人のなかでは、使いどころが微妙であることは否めない。巨人の外野陣は、若手、ベテラン、移籍組、外国人が入り混じる激戦区。大田は、母校の頑張りを励みに頑張るしかないだろう。

 前々回の更新で紹介したように、「東海大相模が夏の甲子園に出場した年は、原巨人はクライマックス・シリーズ(CS)の第2ステージで敗退する」という奇妙な過去のデータがある。

 今季は史上希にみる大混戦のセ・リーグ。巨人がCSに出場できる保証は、まだどこにもない。むしろ、ジンクスにすがる思いで、CSまで進めるのであれば、母校の甲子園出場を必死に祈願するだろう。もちろん理想は、巨人がCSの第2ステージを突破して、東海大相模と原巨人の新たな関連性を構築することだ。

 果たして、原巨人の運命は!? そして、神奈川代表の座はどちらに? 決勝戦のプレーボールは、7月28日13時(横浜スタジアム)の予定となっている。見逃し厳禁!


■ライター・プロフィール
藤山 剣/1970年生まれ。元高校球児(軟式)。出版社勤務を経てフリーに。多くの野球関連の書籍や雑誌の制作だけでなく、他に情報誌や競馬誌にも携わる。

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