8月28日に開幕する、第27回U18(18歳以下)ワールドカップ。正式名称は「第27回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」といい、16歳から18歳の選手が出場する野球の国際大会だ。
かつては「18U世界野球選手権大会」という名称で、1981年にアメリカで第1回大会が開催されていた。しかし、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が2013年に発足。それに伴い、第27回大会からWBSC主催となり、大会名も刷新された。
夏の甲子園大会が閉幕すると同時に発表されるケースが多い、高校野球日本代表。「大会で活躍した選手が選ばれている」イメージではあるものの、その後はあまり報道されず、ファンにとっては馴染みが薄いかもしれない。
過去、この高校野球ドリームチームは親善試合のために海外遠征をすることもあった。しかし、一番の大仕事は2年に1度、8月から9月にかけて行われていた「AAAアジア野球選手権」への出場であった。アジア野球連盟が主催する大会で、かつては夏以外の時期にも開催されたこともあり、年度的にもランダムに開催されていたので、こちらも日本の高校野球ファンにはあまり浸透していない印象だ。
近年でいえば、2011年の第9回AAAアジア野球選手権で日本代表チームは優勝を果たしている。上位2チームが翌年開催される世界大会に出場権を得ることから、アジアを制した後、世界ナンバーワンを目指して挑んだのが、翌12年に開催された第25回18U世界野球選手権大会だ。
このときの日本代表メンバーは、まさにドリームチームと呼ぶに相応しい選手が名を連ねていた。当時、夏の甲子園出場はならなかったものの、最速160キロを記録して打者としても優れたセンスをみせていた大谷翔平(花巻東→日本ハム)や、甲子園春夏連覇を果たした藤浪晋太郎(大阪桐蔭→阪神)。野手では3季連続で甲子園出場を果たした田村龍弘(光星学院→ロッテ)や、北条史也(光星学院→阪神)のほか、2年生だった森友哉(大阪桐蔭→西武)らも代表メンバーに選ばれていた。
しかしながら、結果は6位と奮わず。国際大会の厳しさを教えられた大会となってしまった。
変則的に開催された第26回U18世界野球選手権大会は、2013年に台湾で行われた。日本はこの年に「侍ジャパン」を結成。この大会にも、後にプロ入りする高校球児が出場している。
2012年夏の甲子園で22奪三振を記録した松井裕樹(桐光学園→楽天)や、高校2年時から連続で選出された森友哉(大阪桐蔭→西武)。当時は2年生であった高橋光成(前橋育英→西武)や、安楽智大(済美→楽天)らも名を連ねた。
初結成された「侍ジャパン」高校代表は、1次ラウンドから6連勝を記録して決勝進出。しかし、決勝では2対3でアメリカに敗れ、準優勝に終わった。
そして昨年は、タイで第10回AAAアジア選手権が開催。2年連続で選出された高橋光成をはじめ、野手では巨人ドラフト1位指名を受ける岡本和真(智弁学園→巨人)、今季はルーキーながら1軍出場を果たしている浅間大基(横浜→日本ハム)や、脇本直人(健大高崎→ロッテ)、栗原陵矢(春江工→ソフトバンク)らがメンバー入り。決勝で韓国に1対2で敗戦したものの、「第27回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」の出場権を獲得したのだった。