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統一球に揺れるNPB、アマチュア界では夏の高校野球が開幕!…今週の野球みどころランキング[6月18日(火)〜6月24日(月)]

『今週の野球みどころランキング』は、6月第3週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!


まもなく開幕! 甲子園への道
―――高校野球

 いよいよ夏の甲子園出場をめぐる地方大会が始まる。全国で最も早く熱戦の火蓋が切られるのは沖縄県大会と南北海道大会。6月22日に開幕するの(翌23日からは北北海道大会)を皮切り、各地で続々と聖地・甲子園球場を目指す熱い戦いが始まる。

 沖縄県大会では今春旋風を巻き起こした北山と真和志が選手権初出場(※真和志はセンバツに出場1回)を目指す。それぞれ平良拳太郎(北山)、譜久村誠悟(真和志)と将来的にも楽しみな好右腕を擁す。また、実力校の興南と沖縄尚学も甲子園を虎視眈々と狙っている。

 南北海道大会は6年ぶりに今春の全道大会を制した駒大苫小牧やセンバツ8強の北照が中心だが、好左腕・清水洋二郎を擁し26年ぶりに全道大会に進出、1回戦で甲子園出場春夏合わせ47回の北海を破る大金星を挙げた函館ラ・サールにも注目が集まる。

 そして北北海道大会では「ヒグマ打線」と呼ばれ愛された駒大岩見沢が来春をもって閉校となるため、この夏が最後となる。部員は3年生のみの15人だが北北海道勢で唯一となる全道大会4強に入るなど、「最後の夏」へ意気込み充分だ。

まさに「戦国東都」!? 入れ替え戦は大荒れの試合でスタート
―――東都大学リーグ

 今季から全日本大学野球選手権終了後に行なわれることとなった東都大学リーグ入れ替え戦。1部2部入れ替え戦の近年の成績を見ると、2部優勝校がその勢いをもって1部最下位校に勝利することが多かったが、例年より約1週間遅い開催時期となった今回は専修大(1部最下位校)と拓殖大(2部優勝校)にどういった影響を与えるのかに注目が集まった。

 そして迎えた1回戦(17日)は両軍合わせ31安打20四死球、試合時間3時間41分という乱戦を18-7で専修が制するという大乱戦となった。

 専修は今季リーグ戦打率.152と大不振だった荒木(3年・横浜)が6打数5安打4打点と大爆発するなど、要所での1本を欠いたリーグ戦が嘘かのように大量得点。長かった入れ替え戦までの準備期間で打撃陣がきっちりと修正してきた。

 一方、拓殖大は他校の取りこぼしも目立ち、入れ替え戦の1カ月以上も前の5月8日に優勝が決定。そこから最終節の国士舘大戦に連敗すると、「入れ替え戦前に組んだ練習試合も3連敗していた」(内田俊雄監督)とすっかり優勝の勢いを失った状態で1回戦に入ってしまったようだ。

 開催時期が明暗を分けたと言ってもいい1回戦だったが、2回戦以降どのような戦いになるか注目だ。
 なお、入れ替え戦については『TOHKEN〜最も負けられない大学野球がここにある〜東都入れ替え戦・緊急取材』にてじっくり試合レポートも書かれております。

イチロー&加藤豪将のツーショット実現など
―――MLB

 6日のMLBドラフト会議でヤンキースから2巡目指名を受けた加藤豪将(ランチョ・バーナード高)がさっそくチームの遠征先であるアナハイムのエンゼルスタジアムを訪れ、クラブハウスでチームメイトに挨拶。また上位指名の「特権」として練習参加。イチローと同組で打撃練習に参加した。

 「18歳でヤンキースの練習に入れるのはすごいし、その状況であんなにバットを振れるのだから大したもん」とその加藤を評したイチローは、今週チームが1勝5敗と不調の中、3試合でマルチヒットを放った。いまだ打率は.265(6月17日現在)だが、後半戦に向け、この調子で打率を3割近くまで持っていきたいところだ。

 今季絶好調の岩隈久志(マリナーズ)は16日のアスレチックス戦に先発したものの、5回8安打4失点で55日ぶりの敗戦となる2敗目。ただ、エリク・ウェッジ監督が「彼は常に完璧なわけではない」と語るほど。その厚い信頼が変わることはない。

 レンジャーズのダルビッシュ有は13日のブルージェイズ戦に先発し、7回3安打1失点の力投も援護無く、勝敗が付かなかった。これで5試合連続で白星から見放される結果となった。

 「白星から見放される」といえば、黒田博樹(ヤンキース)も13日のアスレチックス戦に先発し、8回2安打2失点の好投も勝敗はつかず。ダルビッシュ有と同様となる5試合連続で白星を逃した。両投手とも好投はしているだけに歯がゆいところだ。

 そんな中、黒田はこの試合で野茂(1976回1/3)、大家(1070回)に次ぐ、日本人3人目のメジャー通算1000投球回を達成。メジャー通算1006投球回とした。

雨の大学選手権、地方の有力選手たち
―――大学野球

 「大学日本一」を決する第62回全日本大学野球選手権が11日〜16日の間、神宮球場と東京ドームにて行なわれた。

 開幕から3日間は荒天。特に激しい雨の中で行なわれた神宮球場での1日目は、雨の影響による乱戦や失策によるサヨナラなど厳しい展開の試合があった。

 1回戦の東農大北海道オホーツクと道都大学の「北海道ダービー」では雨の影響からか両チーム合わせ21四死球の乱戦(試合は7−3で東農大北海道オホーツクの勝利)。その後に行なわれた中部学院大と福岡大の試合ではさらに雨足が強くなり、最後は遊ゴロ併殺を狙った中部学院大の失策で勝負が決する(延長10回タイブレーク、4−3で福岡大が逆転サヨナラ勝ち)など、難しいコンディション下での試合となった。

 この試合で本塁打を放った今秋ドラフト候補捕手・梅野隆太郎(福岡大)ら地方大学に在籍する有力選手の姿を観られるのもこの大会の大きな楽しみだ。

 優勝は、投で横田哲(飯能南・4年)、打で三木亮(遊学館・4年)が中心となった関甲新学生リーグ代表・上武大学。準決勝で東京六大学リーグ代表の明治大を3−2で破ると、決勝戦では東都大学リーグ代表・亜細亜大に6−5の逆転勝利で悲願の初優勝を果たし、大会は幕を閉じた。

 その大学野球選手権で『週刊野球太郎』として1番の注目をした選手が北東北大学リーグ代表・富士大の外崎修汰(弘前実・3年)だ。なんといっても魅力は癖のないキレイな打撃。特に右方向への「おっつけ」は絶妙で、あらゆる角度に強い打球が打てる。1回戦の京滋大学リーグ代表・京都学園大戦では3盗塁を挙げるなど高い走塁技術も見せた。二塁手を務める守備では守備範囲も広く、今後の活躍が期待される好選手だった。


尾崎行雄さん亡くなる
―――国内プロ野球・訃報

 1961年夏に浪商のエースとして剛速球を武器に甲子園優勝投手となり「怪童」と呼ばれた尾崎行雄さんが13日、肺がんで亡くなった。68歳だった。

 甲子園優勝投手となった後、高校を17歳で中退し東映フライヤーズに入団してからは、1年目(1962年)に20勝を挙げ新人王に輝くと、1965年には27勝を挙げ最多勝のタイトルを獲得するなど活躍。入団から5年間で4度も20勝以上を記録したが、酷使がたたって肩を壊し、6年目以降は目立った活躍はできず、1973年に現役を引退した。通算107勝(83敗)と戦後の甲子園優勝投手としては初となる通算100勝を果たし、通算防御率は2.70だった。

 この訃報に西鉄時代に尾崎さんと何度も対峙した中西太さんは「彼のストレートは素晴らしいスピードで、それと分かっていても空振りした。キレ、伸び、コントロールも良かった。」と故人を偲んだ。

 ご冥福をお祈りします。

ソフトバンクが2年ぶり4度目交流戦Vも・・・事件勃発
―――NPB

 13日のヤフオクドームで行なわれたヤクルトvsソフトバンク4回戦でソフトバンクがヤクルトを11−4で破り、残り2試合を残し2年ぶり4回目となる交流戦優勝を達成。交流戦導入後9年でその約半数をソフトバンクが優勝するという変わらぬ強さを見せつけた。

 しかし、その優勝セレモニーをベテラン・松中信彦がボイコットし無断で帰宅。起用法に不満があったようだが、この懲罰として翌日、2軍降格を命じられた。松中本人も深い反省の色を示したが、恩師の王貞治会長も期待ゆえ「1日でも早く(1軍に)上がれるように、バットで1軍の道を切り開くしかない。すべての選手がそうだけれどね」と厳しく突き放した。

 今年は7月19日に札幌ドームで、20日に神宮球場で、22日に福島・いわきグリーンスタジアムで3試合行なわれるオールスターのファン投票最終中間発表が17日公示された。

 現在の最多得票はパ・リーグ外野手部門でオリックス・糸井嘉男が258,969票。阪神・西岡剛はセ・リーグ二塁手部門で2位に約12万票差、パ・リーグ抑え投手部門でオリックス・平野佳寿が約9万票差をつけており、ファン投票選出がほぼ確実となっている。また新人では阪神・藤浪晋太郎が96,322票を集めセ・リーグ投手部門で1位となっており、このまま逃げ切れば、セ・リーグの高卒新人投手史上初となるファン投票選出でのオールスター出場、セ・パを通じても2007年の田中将大(楽天)以来6人目の快挙となる。

統一球問題
―――NPB

 選手をはじめとする現場、そしてファンの誰もがうすうす感じていた「今年のボールは昨年、一昨年より飛ぶ」という疑念。この件に関し、労組日本プロ野球選手会会長・嶋基宏が12日、日本プロ野球機構(NPB)に直接ただしたところ、下田邦夫事務局長が「過去2年間のボールが飛ばなすぎたため、今季からボールに微調整を加えた」ということを認め、さらには製造元のミズノに対し「問い合わせが来ても、“まったく変わっていない”という対応をするように」と“隠蔽”を指示していたことも明かした。

 これを受けた翌日のNPBの会見では、統一球導入の旗ふり役で統一球1つ1つに自らの名前が刻印されている加藤良三コミッショナーが「私は知らなかった」「不祥事だとは思っていない」と発言したことが、選手そしてファンのさらなる怒りを買った。

 この件に関し、ダルビッシュ有はtwittwerで「知らない事はないでしょう。てか知らない方が問題でしょ。。」「名前まで入れて、中身知りませんはなぁ。。」と痛烈に批判。またこの問題の発覚に尽力したとも言える嶋が「(去年まで使われていた)統一球の基準で出来高を結んでいる選手もいる」と話したように、これにより選手と球団が大きな不利益を被っている事実も否定しようがないことである。

 プロ野球に関わるすべての人に対する裏切りであった「不祥事」の顛末はいかに!?


 弊社の『野球太郎No.005』を含め、多くの高校野球雑誌がスポーツコーナーを賑わし、今週から夏季大会がスタートする地域もあります。気温の面ではすでに夏らしさを感じる日もありました。

 プレーする球児はもちろん、観戦する野球ファンの方々も体調管理やケガには気をつけて、まだ梅雨があけてはいません(だいぶ先走ります!)が、この夏を楽しんでいただきたいです!


■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)twitter(@you_the_ballad)


<<野球界の主なスケジュール>>
女子プロ野球関連

6月29,30日 『ティアラカップ滋賀・岐阜大会』
 29日(土)は皇子山球場、30日(日)は長良川球場で開催。両日ともに第1試合は11時試合開始、第2試合は13時半試合開始予定
 なお、こちらの試合はYoutubeでライブ中継します。詳細は日本女子プロ野球リーグ・JWBLのホームページをご覧ください。
 また、今シーズンの女子プロ野球は、各試合前に、少年少女を対象とした野球教室&体験教室を実施しています! 6月29,30日の滋賀・岐阜大会、7月6,7日の奈良大会での参加募集は随時行なっているそうです。申し込み方法、詳細は上記の公式ホームページをご覧ください。

アマチュア野球スケジュール

夏の高校野球地方大会

北海道の支部大会、沖縄大会が6月22日開幕
7月6日より多くの地区で開幕!

大学野球・日米大学野球は日本開催!

第62回 全日本大学野球選手権大会
優勝:上武大(関甲新学生リーグ)
大学、所属リーグとしても初優勝!

6月21日(金)〜23日(日):大学日本代表選考合宿(平塚球場)
【23日に大学日本代表選手発表】
6月30日(日)〜7月5日(金):大学日本代表[直前強化合宿]
7月6日(土)から:第39回日米大学野球選手権大会
▽大会日程
[第1戦]7月 6日(土)午後2時【松山坊っちゃんスタジアム】
[第2戦]7月 7日(日)午後2時【松山坊っちゃんスタジアム】
[第3戦]7月 8日(月)午後6時【マツダZoom-Zoomスタジアム広島】
[第4戦]7月10日(水)午後6時【宇都宮清原球場】
[第5戦]7月11日(木)午後6時【明治神宮野球場】
[予備日]7月12日(金)    【明治神宮野球場】


第84回 都市対抗野球大会
本戦出場全チームが決定!

7月12日〜12日間:第84回 都市対抗野球大会(東京ドーム)
組み合わせ抽選会は6月20日(木)

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