■駒大苫小牧(南北海道、4年ぶり4回目)
田中将大(ヤンキース)を輩出した北の雄。秋季北海道大会準決勝では札幌日大を相手に7対6、決勝では旭川実を相手に12対10と打撃戦を制してセンバツ切符を手に入れた。
11月の明治神宮大会では初戦で大阪桐蔭と対戦し、2対4と善戦。ホームスチールで得点を奪う場面もあり、破壊力と機動力を兼ね備える。
ブラスバンドの応援も名物で、甲子園での演奏を楽しみにしている高校野球ファンも多い。
■花巻東(岩手、6年ぶり3回目)
菊池雄星(西武)、大谷翔平(エンゼルス)らを輩出。粘り強い戦いで接戦を制し、秋季東北大会で準優勝を果たした。
注目は花巻東伝統の出世番号「17」を背負う西舘勇陽。最速142キロのストレートとスプリットのコンビネーションを生かす投球が持ち味。菊池、大谷の後継者として注目を集めそうだ。
■日大山形(山形、36年ぶり4回目)
秋季山形県大会は3位に終わったものの、東北大会でベスト4に躍進し、逆転選出を果たした。
原動力となったのは背番号11の右腕・佐藤洸太。東北大会・2回戦で仙台育英を完封し、大会を通じて22回1/3の連続無失点を記録した。話題性では2番・高橋殿馬も一押し。『ドカベン』の殿馬から名前をもらい、バントも得意。甲子園で秘打が見られるか。
■聖光学院(福島、5年ぶり5回目)
福島県大会から数えて8戦80得点の強打で秋季東北大会を制覇。打線のキーマンは1年秋からスタメンを張る矢吹栄希。180センチの大型二塁手でプロも注目する成長株だ。
エース・衛藤慎也は東北大会4試合で防御率1.29の安定感。勝てる投手に成長し、頂点を目指せるタレントが揃った。
■由利工(秋田/初出場)
昨秋、東北大会ベスト8。21世紀枠だが実力も兼ね備える。学校では野球部が先頭に立って地域でのあいさつ運動を展開。「地域に愛される学校」をテーマにボランティアや地域交流に取り組んだ。
選出の決め手となったのはエース・佐藤亜蓮の存在。最速142キロのストレート、2種類のスライダー、カーブ、チェンジアップなどを操り、「秋田のドクターK」と呼ばれる三振の山を築く投手だ。全国強豪との戦いで、どんなピッチングをするか楽しみだ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)