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夏の甲子園の成績から分析する【2010年代夏の最強地区】はここだ!

  6月20日(土)から、沖縄、南北海道の函館支部で、夏の大会がはじまる。すぐそこに迫っている夏の高校野球で、近年における最強校はどこか、はっきりさせよう! という趣旨のこのコーナー。

 前回の記事では、夏の甲子園の結果に応じ、ポイントを加算して、【2010年代夏の最強校】は大阪桐蔭で文句なし! という結論に至った。

※前回の記事のランキングでは、明徳義塾が7Pで9位タイでしたが、実際は7.5Pで6位タイでした。上記のランキングが正しいものです。お詫びして、訂正いたします。

 3年で完全に選手が入れ替わる高校野球において、この5年の間に2度も全国制覇している大阪桐蔭は、やはりただものではない。次点の八戸学院光星(光星学院)も「最強校」と呼ぶに値する高校だ。一発勝負のトーナメントで2年連続準優勝したのに加え、メンバーが入れ替わってベスト8に進出できたのは、組織として強さを養うことができるからだろう。

 さて、ここからは最強校と呼べるか呼べないか、吟味する対象校を分析していきたい。

優勝したけど1度しか夏の甲子園に出ていない興南、前橋育英


 2010年にエース・島袋洋奨(現ソフトバンク)を擁し、春夏連覇を達成した興南。2013年、22年ぶりの初出場初優勝を成し遂げた前橋育英。両校とも優勝した10Pによってランキング上位に名を連ねているが、2010年代の夏の甲子園に出場したのは、この1度だけ。それだけで「最強校」と言ってしまっていいのだろうか? ちなみに、上記のランキング掲載校で1度しか甲子園に出ていないのもまた、この2校だけである。

 一方で、このワンチャンスを生かして、4000校前後の中から頂点に上り詰めた勝負強さ、甲子園出場が2010年代に1度であっても、頂点を極めたことに対するリスペクトは重要ではないか、という考え方もある。

地区別で見ると強い沖縄、群馬


 ランキングの表では、13位タイまでしか載せていないが、もちろんポイントを獲得している高校はすべて計算をしている。以下のポイント獲得校の表を見ていると、同地区からポイントを獲得している学校が複数ある地区が見えてくる。

▲優勝は10P、準優勝は7P、ベスト4は4P、ベスト8は2P、出場したら0.5Pとして、2010年以降の夏の甲子園での成績をポイント化した結果

 高校野球ファンならピンとくるだろう。沖縄なら沖縄尚学であり、群馬は「機動破壊」で名を轟かせた健大高崎だ。ともに2014年にベスト8入りし、それ以外にも1度出場しているので、2.5Pを獲得している。興南と沖縄尚学、前橋育英と健大高崎のポイントを合算すれば、12.5Pとなり、西東京としてポイントを獲得しているのは日大三(11P)だけなので、大阪、青森に続いて、群馬と沖縄が3位タイとなる。

 このように地区別でポイントを集計すると、以下のようなランキングになる。


 これらが、2010年代夏の甲子園で上位に入った地区だ。高校別ランキングでは千葉、兵庫からのランクインはなかったものの、ここではランクイン。また、新潟と岡山がそれぞれランクアップしている。特に2009年夏の日本文理が成し遂げた準優勝から新潟が安定した強さを発揮しており、かつての弱小県のイメージをガラッと変えなくてはいけないだろう。

 新潟のように新興勢力的にランクインする地区もあれば、強豪校が多い印象なのに、2010年代に1度もベスト8入りしていない地区もある。一度もベスト8入りしていない地区は全部で23地区あり、中には愛知、京都、福岡、埼玉、宮城といった地区も。2009年夏に中京大中京が優勝、センバツでは2013年に浦和学院が、2014年に龍谷大平安が優勝しているので、決して地区全体のレベルが低下しているわけではなく、2010年から2014年までは夏との相性が悪かったと解釈しておくことにしよう。

 最後に、ここまで全く触れなかった6位・神奈川は、2010年の準優勝(東海大相模)、2012年のベスト8(桐光学園)がポイントを獲得した以外でも、2011年、2013年はベスト8一歩手前の3回戦敗退(ともに横浜)と健闘している。横浜が1回でも3回戦の壁を破っていれば、さらなるランクアップの可能性もあった。

 ここまで上位6地区は、どの学校が出てきても甲子園で結果を残す【2010年代夏の最強地区】に、少し強引な結論ではあるが認定したい。

(文=編集部)

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