【プロ野球・新名勝負?】ヤクルト・つば九郎vs.ソフトバンク・ふうさん〜福岡の地で再戦なるか!?
【この記事の読みどころ】
・マスコットが鳥同士の日本シリーズは頂上決戦ならぬ“鳥上決戦”でもある
・しかしつば九郎は、ソフトバンクの新キャラクター「ふうさん」を集中攻撃!
・そもそも「ふうさん」とは何だ!? ヤフオクドームの隙間に住みつく“妖精”?
ヤクルトの「反撃」はもう始まっている……!?
ソフトバンクの2連勝で幕を開けた2015年日本シリーズ、福岡ソフトバンクホークス対東京ヤクルトスワローズ。舞台は今日27日からヤクルトのホーム、明治神宮球場へ。ここで流れが変わることをヤクルトファンは祈っているはずだ。
ドラフト会議での真中満監督の“やらかし”以降、ヤクルトファンはうっぷんが溜まる展開続き。そんな不満を解消している(かもしれない)のが、球団マスコット・つば九郎の逆襲だ。
風船か、電球か!? 謎の生物「ふうさん」とは?
日本シリーズの「番外編」として一部ネットで話題になっている現象がある。それが「つば九郎対ふうさん」の場外乱闘劇だ。
といっても、「ふうさん」の存在をまだ知らない人もいるだろう。「ふうさん」とは、今年5月4日、何の前触れもなくヤフオクドームに登場したソフトバンクの新キャラクターだ。
ソフトバンクといえば、「ハリーホーク」を筆頭にした強固なマスコット集団「ホークファミリー」で知られている。が、「ふうさん」は明らかにこのファミリーとは別扱い。球団広報も詳しく知らない、という設定で、球団公式サイトでもマスコットページではなく、なぜか「ニュース」のページで簡単な素性が明らかにされている。
名称:ふうさん
出身地:ヤフオクドーム内「ダグアウト」
生息地:スタンド席や倉庫、階段の踊り場など隙間
好きなモノ:白星ジェット風船
尊敬するモノ:役目を全うした白星風船
好きな人:藤井フミヤさん(好きな歌:勝利の空へ)
目標:一度で良いので白星ジェット風船と一緒に空を飛びたい。
「白星ジェット風船」が示す通り、ヤフオクドームでソフトバンクが勝利した後にファンが飛ばす白い風船を模したのが「ふうさん」のビジュアルだ(が、一部では「何だ!? あの電球」とも呼ばれている)。高さは2メートル以上あり、これまでマスコット最長だった広島のスラィリー(210センチ)を超えている可能性が大きい。
つば九郎、鬼の所業の三段コンボ
この「ふうさん」とつば九郎の間で因縁が生まれたのが5月30日、ヤフオクドームでのソフトバンク対ヤクルト交流戦だった。
試合前、スタンドにプレゼントを打ち込むためのバズーカ砲を手にしたつば九郎は、突然向きを変えて「ふうさん」めがけて発射! さらにつば九郎がのど輪攻めをしたり、蹴り飛ばしたりと、やりたい放題。この日の試合はヤクルトが勝利を挙げたが、マスコット対決でもつば九郎の圧勝だった。
※イメージです
あれから5カ月。日本シリーズという頂上決戦で、再び両雄が相見えるときがやって来た。
日本シリーズ第1戦では特にもめ事はなかった両者。だが、2戦目でとうとう「再戦」が勃発した。実際の試合とは違い、こちらはヤクルトの圧勝。つば九郎が押し倒し、蹴りを入れ、挙げ句の果てには、ふうさんを逆立ちさせるという鬼の所業の三段コンボを披露した。
一方のふうさんもやられっ放しではなく、つば九郎お得意のパフォーマンス「くるりんぱ」を邪魔したりと、これはこれでユルい戦いを演じている。
●ハリーホーク対つば九郎の「鳥対決」にも要注目!
マスコットの「因縁の対決」といえば、2000年頃に名物だった「トラッキー対佐伯貴弘(当時横浜)」が思い出深い。あの対戦も、ラリアットあり、ジャイアントスイングありと、大男同士の本気のパフォーマンスがファンを喜ばせた。
もちろん、野球のプレーで魅せるのがプロ野球の本来あるべき姿。ただ、こうした場外乱闘劇が名物としてファンの楽しみになるのも、また一興だ。「つば九郎対ふうさん」が新たな因縁の対決として盛り上がれば、プロ野球の盛り上がりにも一役買うのではないだろうか。
残念ながらふうさんは、ヤフオクドームに住みつく「妖精」。今日からの神宮決戦では姿を見せることはないだろう。もう一度、つば九郎対ふうさんを見るためには、何としてもヤクルトがホームで2勝以上を挙げ、福岡の地に戻らなければならない。
つば九郎も、福岡に戻ってくる決意を自身のブログでこう宣言している。
「ぜったいに なかすに もどってくるばい!」
……つば九郎にとって、ふうさんは眼中にないらしい。
ちなみに、本来のマスコット「ハリーホーク」との因縁でいえば、長い日本シリーズにおいて「鳥対鳥」のマスコット対決になったのは今年が初めて。何ならふうさんの敵討ちとして、“みんなのヒーロー”ハリーホークの参戦も期待してみたい。
文=オグマナオト(おぐま・なおと)
1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)
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