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『プロ野球呪いのハンドブック』の歩き方〜西武・阪神編

 いよいよ開幕が間近にせまったプロ野球。『別冊野球太郎2014球春号〜プロ野球呪いのハンドブック』(発行・イマジニア株式会社ナックルボールスタジアム/発売・廣済堂出版)では、12球団別の呪いポイントがびっしりと書かれている。このコーナーでは、そのポイントをおさらいして、今季のプロ野球観戦に役立ててもらおう、もっと応援しよう、という企画だ。今週は両リーグでともに2位だった埼玉西武ライオンズと阪神タイガースについて考察していこう。

△2013年パ・リーグ2位:西武の応援ポイント▽

応援ポイントその1

“俺達”こと救援陣は大丈夫なのか

 西武ファンやネットで色々な情報を追い求める人たちならご存じの“俺達”。レオを逆さまに読んで俺(おれ)、逆さまとは逆転されること、接戦の場面で登板するとことどこく逆転される中継ぎ陣。このような現象を統合して、某巨大掲示板で不甲斐ない中継ぎ陣を皮肉って生まれた呼び名だ。

 印象だけではなく、数字にもしっかり表れており、2011年の救援防御率はパ・リーグ5位、2012年、2013年はワーストだった。安定して悪い結果が出ている西武のリリーフ陣。急に伸びてくる若手投手か、新人投手か新外国人か。今シーズンこそ、救世主が出現し、巻き返しを期待したい。


▲そろそろ大石達也に活躍してもらわなければ……

応援ポイントその2

内弁慶打線にお祓いを

 一方の攻撃陣について。昨季の西武はホームで42勝29敗1分、勝率.592で平均得点は4.47だった。しかし、ビジターでは32勝37敗3分、勝率.464で平均得点は3.44と、“内弁慶”ぶりが顕著だった。

 ビジターで3割以上打った打者は3人しかおらず、その3人の内、ヘルマン(.304)と片岡治大(.301)は他球団に移籍してしまった。残った浅村栄斗(.311)につづく、ビジターに強い打者の出現を祈ろう。

応援ポイントその3

永遠のライバル・ソフトバンクの呪いを解け!

 過去10年、パ・リーグでは最も安定した成績を残している西武。近年では2007年にBクラス(5位)に転落したくらいで、それも26年ぶりだった。涌井秀章や片岡治大が移籍した今季も、大崩れはしないと予想される。

 しかし、気になるのが“ソフトバンクの呪い”だ。2010年のシーズンでは、西武のマジック4で迎えたソフトバンク戦との3連戦で、痛恨の3連敗。わずか2厘差でソフトバンクに優勝をさらわれた苦い思い出がある。それ以降、年間の対戦成績は2011年が5勝15敗4分、2012年は11勝13敗、2013年も8勝15敗1分と負け越しが続いているのだ。

 大型補強を敢行したソフトバンクを、伊原西武はどうやって攻略するのか。西武ファンだけでなく、パ・リーグファンなら注目のポイントだ。


△2013年セ・リーグ2位:阪神の応援ポイント▽

応援ポイントその1

130連敗でストップも、7回に注目!

 なんといっても特筆すべきは、“130連敗の呪い”。阪神は7回を終えた時点で、リードを許していた試合は、引き分けを挟んで130連敗もしていたのだ。2010年9月19日からの記録で、2013年5月12日のヤクルト戦で逆転勝ちを収めて、この呪いは解消された。

 そして、この呪いが解消された試合を含めて、8回以降の逆転勝ちで6勝をあげ、勝率は.102だった。同じ条件での勝率を各12球団で見てみると、.060〜.070と1割にも届かない球団ばかり。2年半呪われ続けていたが、その後は強さを見せていた。今シーズンも「逆転の虎」が見られるか、阪神の7回以降の戦いに注目しよう。

応援ポイントその2

今季こそ若手の抜擢に期待!

 阪神を昨季セ・リーグ2位に押し上げた原動力は投手力にある。リーグトップの防御率3.08を記録し、救援防御率もリーグ2位の3.10をマークした。しかし、その救援陣の高齢化は気になるところだ。

 昨季チーム最多の61試合に登板した加藤康介は今季36歳、58試合登板の安藤優也は今季37歳、50試合登板の福原忍は今季38歳と、中継ぎ陣の高齢化が著しい。2012年も30試合以上にリリーフ登板した7人中5人が30歳以上だった。

 昨季終盤に松田遼馬が活躍したが、今季も継続して活躍できるか、岩本輝や育成選手になったがオープン戦でいいボールを投げていた伊藤和雄など若手投手を抜擢し、若返りを図りたいところだ。


▲松田遼馬


応援ポイントその3

短期決戦の呪いを解放せよ!

 昨季のペナントレースではセ・リーグ2位も、クライマックスシリーズ(CS)で広島に敗れた。今季こそCSを突破して、雪辱を果たしたい。

 しかし、ファンのみなさんならご存じのとおり、阪神は短期決戦に弱い。昨季以前に3度もCSに出場しているが、2008年に1勝を挙げただけ。CS通算勝率は.111と呪われたような数字が残っている。

 独特の雰囲気を醸しだす甲子園はもちろん、ファンが多い阪神は、ビジターでもホームであるかのような雰囲気を作るのだが、短期決戦では、どうもその応援が結果に結びつかない。やはり、大きなカギを握るのは首脳陣の采配か? それとも終盤にスタミナが切れてしまう選手たち(主力選手の高齢化もひとつの要因)か? とにかく結果を残さなくては!


■ライター・プロフィール
鈴木雷人(すずき・らいと)/会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。“ファン目線を大切に”をモットーに、プロアマ問わず野球を追いかけている。Twitterは@suzukiwrite

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