古今東西135名を超える選手の特徴・キャラクター・逸話や伝説が、“木田画伯”の似顔絵とともに赤裸々に綴られていると話題の『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』。今季所属した石川ミリオンスターズを含め、日米8球団に所属したからこそ、チームも年代も関係なく、注目すべき選手が数多く登場しているのが嬉しい一冊だ。
実際、8日〜10日かけて台湾と対戦した新生日本代表・侍ジャパンのキーマンも、この本の中で取り上げられている。そのマル秘エピソードの一部を紹介したい。
チームメイトの経験はないものの、「パ・リーグ時代のライバル」として紹介されたのが小久保裕紀(P.82)だ。「マグワイア級のホームランアーティスト」という打者評も興味深いが、何より注目すべきは「人間的にしっかりしていて、これからのプロ野球を支えて欲しい」という人物評だろう。
“日本代表監督”に小久保が内定したのが10月2日のこと。本書は「10月1日時点」の情報を元にまとめてあるので、実に予言的ともいえる。木田画伯の評価する「人間力」でチームを今後もまとめることができるのか。大いに注目したい。
今回のチームで「選手」ではなく「打撃コーチ」として臨んでいるのが、北海道日本ハムファイターズの“現役選手”稲葉篤紀だ。24歳以下で構成された今回の若いチームにとって、選手に一番近い立場でもある稲葉の存在は、ある意味で一番重要ではないだろうか。
そんな稲葉の本書での評価(P.66)は、「周囲からの人望も厚く、人気者」というもの。チームのまとめ役、潤滑油として、その「人望」を今後も発揮して欲しいとともに、まだまだ現役選手としての活躍にも期待したいところ。ファイターズ同様、選手兼任コーチ、でもいいのではないだろうか。
小久保監督から「(監督就任中の)永久4番」に指名されたのが中田翔だ。ファイターズ時代に3年間チームメイトだった中田を、木田画伯は「現役右打者で、『飛距離』という点では、もうすでに特別な存在」と絶賛!(p.74)。
さらに、年々「大人になった」「精神的な成長を果たした」とし、「そういう経験を蓄積していくことで、真の意味での『ファイターズの4番』『日本の4番』になる」と、こちらも「日本の4番」にお墨付きを与えているのが驚きだ。