昨シーズンは新井貴浩(広島)が2000安打、福留孝介(阪神)が日米通算2000安打を達成。名球界入りの資格を得た。今シーズンも2000安打達成(日米通算を含む)を目前にした選手がNPBで5名、MLBで1名いる。
その6名のなかでは、青木宣親(アストロズ)が日米通算2000安打まで残り35安打と最も近いところにつけている。今シーズンは移籍初年度となるが、左翼のレギュラーとしての出場が予想され、5月中には達成されそうだ。ただ、MLBの通算安打となると、この35安打を足しても716安打と半端な安打数……。そのため、現地でのセレモニーは行われない可能性もある。
NPBでは荒木雅博(中日)が残り39安打に迫っている。レギュラーを確保できれば5月中の達成が見えてくる。昨シーズンは不調もあり71安打に終わった荒木だが、早期達成を目指したい。
阿部慎之助(巨人)は残り83安打、内川聖一(ソフトバンク)は残り104安打。故障さえなければ、今シーズンでの到達は十分に可能だ。両者とも首位打者の獲得歴があり、長らくチームを支えてきた選手。できれば、多くのファンが詰めかけた本拠地で記録達成といきたいところだ。
昨シーズン終盤、遊撃のレギュラーを北條史也に奪われた鳥谷敬(阪神)は残り128安打。今シーズンも北條とのレギュラーを争いとなるが、定位置を取り返し、2000安打を達成したい。
幕張の安打製造機こと福浦和也(ロッテ)は残り68安打と達成間近に見える。しかし、近年は出番が減り、昨シーズンは20安打に終わってしまった。出場機会を増やせなければ、今シーズンでの達成は難しいかもしれない。
【今シーズンに2000安打達成が予想される選手】
青木宣親(アストロズ)
日米通算1965安打/残り35安打(118安打)
荒木雅博(中日)
通算1961安打/残り39安打(71安打)
福浦和也(ロッテ)
通算1932安打/残り68安打(20安打)
阿部慎之助(巨人)
通算1917安打/残り83安打(104安打)
内川聖一(ソフトバンク)
通算1896安打/残り104安打(169安打)
鳥谷敬(阪神)
通算1872安打/残り128安打(106安打)
(※カッコ内の安打数は昨シーズンの記録)
本塁打の記録に目を向けると、ここでも阿部の名前が出てくる。現在、通算373本塁打と400本塁打まで27本に迫っているのだ。大台到達となれば、巨人の生え抜き選手としては王貞治(868本塁打)、長嶋茂雄(444本塁打)に次ぐ3人目の400本塁打達成者となる。そして、その通過点には原辰徳(382本塁打)がいる。
今シーズンは一塁に専念する阿部。2014年から20本塁打を下回るシーズンが続くが、シーズン中の大台達成を期待したい。
昨シーズンはベストナインに選出され、ゴールデン・グラブ賞にも輝きながら、年俸が8000万円ダウンという厳しい契約更改となった村田修一(巨人)。今シーズンは残り4本に迫っている350本塁打を達成し、400本、500本への足がかりにしたい。今年の12月に37歳となる「松坂世代」のひとりだが、老け込むにはまだ早い。
【今シーズン中に400本塁打達成が予想される選手】
阿部慎之助(巨人)
通算373本塁打/残り27本塁打(12本塁打)
【今シーズン中に350本塁打達成が予想される選手】
村田修一(巨人)
通算346本塁打/残り4本塁打(25本塁打)
(※カッコ内の本塁打数は昨シーズンの記録)
投手に目を向けると、3名の500試合登板達成者が生まれそうだ。この記録は例えば毎シーズン50試合に登板したとして、それを10年間続けなければならない。まさに“無事是名馬”といいたくなる中継ぎ、抑え投手の勲章だ。昨シーズンは永川勝浩(広島)、宮西尚生(日本ハム)が達成している。
今シーズンは平野佳寿(オリックス)、安藤優也(阪神)、青山浩二(楽天)が達成間近。平野は残り9試合、安藤は残り15試合、青山は残り17試合となっている。3名とも中継ぎ、抑えで重宝されているので記録達成は間違いないだろう。
青山は楽天の球団記録を更新し続けているので、500試合登板といわず、550、600と登板数を伸ばしてほしい。
【今シーズン中の500試合登板達成が予想される選手】
平野佳寿(オリックス)
通算491試合登板/残り9試合(58試合)
安藤優也(阪神)
通算485試合登板/残り15試合(50試合)
青山浩二(楽天)
通算483試合登板/残り17試合(50試合)
(※カッコ内の試合数は昨シーズンの登板数)
三浦大輔(元DeNA)が引退したことで、現役最多勝投手は通算152勝の石川雅規(ヤクルト)となった。そして、石川に続くのが昨シーズンはプロ入り以来、初めて1軍での登板がなかった杉内俊哉(巨人)だ。杉内は142勝を挙げており、あと8勝で150勝に到達する。同じ年にプロ入りした石川に10勝の差をつけられてしまったが、今シーズンは復活のマウンドに立ち、追いかけたい。
【今シーズン中の150勝達成が予想される選手】
杉内俊哉(巨人)
通算142勝/残り8勝(0勝)
(※カッコ内の試合数は昨シーズンの登板数)
文=勝田 聡(かつた・さとし)