宮崎の打撃の特徴は右打ち、つまりライト側に放つ強烈な打球につきる。ボールをぎりぎりまでひきつけ、ヘッドスピードの速いスイングで打球をライト方向へ弾き返す。そして今シーズンは、3番・ロペス、 4番・筒香嘉智までの上位打線の出塁を受け、走者をホームに迎えるライトへタイムリーを放つ場面が多く見受けられる。
確かに球界を見渡せば、逆方向への打撃を得意とする打者は多い。しかし、そのほとんどがしぶとく逆方向に運ぶタイプ。そんななか、宮崎の打球は強烈なライナーが多く、異彩を放っている。
また、筆者に強く印象に残っているのは2015年にヤクルトのクローザー、バーネット(現レンジャーズ)から放った本塁打だ。この年、バーネットは41セーブを記録し、日本でのキャリアハイ。まさに無双状態だったが、唯一、被弾した本塁打が宮崎の一発だった。もちろん、宮崎は逆方向に押し込んでスタンドまで持っていった。
昨シーズン、宮崎が放った88安打の4割以上が逆方向への打球だった。そして今シーズン、宮崎の逆方向への打球はなんと6割6分を超えている。安打の実に3分の2が逆方向への当たりなのだ。
最近は相手投手の警戒レベルがますます上がり、アウトコースへの投球が多くなった。そこで、アウトコースのボールが高めに浮いたところを確実にライト線へ運んでいるのも関係しているだろう。
今後は研究された結果、内角への攻め方を工夫されるいのではと危惧するが、そこは持ち前のヘッドスピードを生かし、対応してくれるはず。
1998年に横浜が日本一となったときは「マシンガン打線」という最強の火器を持っていた。今シーズンのDeNAは、当時のような重量級の打線ではないものの同じように「打線のつながり」でビッグイニングを作ることができる。
「つながり」で得点を積み重ねる「NEWマシンガン打線」に宮崎の右打ちは欠かせない。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)