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【2019年夏の甲子園 奈良みどころ】話題の1年生を3年生の意地が迎え撃つ 野手は2年が面白い!世代間の戦い注目

投手編〜最後に実力を発揮したい

丹羽拓哉
 丹羽拓哉(法隆寺国際)がラストサマーに勝負をかける。一冬を越えての成果は太ももの充実具合から見て取れる。腕をタテに振り、リリースするストレートは伸びる球筋。球質が向上すれば、変化球もより効果的になる。スタミナ強化次第では、今夏の奈良大会を盛り上げてくれるはずだ。

 ドラフト的観点では、智辯学園の新1年生に期待。小畠一心は春季県大会で、西村王雅は春季近畿大会でそれぞれデビュー。185センチの大型右腕・小畠は一見、力で抑えるタイプと思いきや、変化球も巧みに使える。なによりもマウンド上で落ち着いて投げ続けるメンタルは1年生離れしている。先発タイプとして順調に伸びてほしい。
 一方、西村は小柄で熱いサウスポー。とにかく投げっぷりがよく、気合満点でどんどん内角をつく。精神的な図太さは小畠、西村に共通する長所だ。

 大西貫星(関西中央)はストレート、スライダー、ツーシームを操り、ストライクゾーンを左右に大きく使える。散らして凡打の山を築く実戦型だ。金重直人(橿原学院)は中学時代に夏のボーイズ選手権で優勝し、昨夏も4強入り。得意の夏に躍動したい。
 安部太遥、丸野蒼(ともに奈良大付)は今春未登板も昨夏、昨秋は主力として活躍。特に安部はストレートに力がある。
 技巧派の桂田拓都、速球派の川上海地(ともに天理)はお互いのよさを吸収しあえば、さらに伸びそう。

野手編〜北野の打棒が見られるか

北野樹
 ドラフト候補としては、北野樹(天理)がいの一番に名前が挙がるものの、春季県大会はケガで欠場。復帰できるのか不安だが、実力は抜きん出ている。楽に振って飛距離を出す打撃は特に評価が高い。

 今春急上昇したのは土井翔太(郡山)だ。攻守に体の強さを感じる2年生。今春から指導する生島秀峰監督の教えを吸収し、タイミングの取り方がよくなり、本塁打を積み重ねた。また、現在守る遊撃に移ったのもこの春からだが、しっかり守れ、肩の強さも生きている。この適応力や吸収のよさからセンスも感じる。同じ2年生の井上竜輝はさらに大きなパワーヒッターとして注目。

 智辯学園と天理は小柄な実戦型野手が揃う。智辯学園の1番・塚本大夢、2番・三田智也、3番・坂下翔馬の並びは打って、走って、つないで、しかも守りも問題なし、となんでもできる。天理の二遊間、西村龍太郎と下林源太もバットコンロールがうまく、ヒットを量産する。さらに西村は引っ張れば本塁打の小力があり、3回戦のサヨナラ2ランは美しい当たりだった。

 昨春センバツ時の4番・藤村健太、現在の4番・吉村誠人はともにツボにくれば広角に飛ばせるスラッガー。右翼手の白石陸(いずれも智辯学園)は半端ない強肩なので、シートノックも見てほしい。

 その他、内野手では、平田直也(橿原学院)、福留涼平(高田2年)がパンチ力ある遊撃手、三浦凌太(高田商2年)は強打者タイプ。
 外野手では、池田壮平(奈良大付)、岩本泰輔(天理)が打撃力を武器とし、梅田雅士(郡山)、梅田風翔(高田)、上垣智哉(畝傍)は俊足が売り。それぞれの個性を発揮して輝いてほしい。

大会展望〜夏の逆転劇の可能性は大いにあり

奈良地区勢力ピラミッド
春季県大会を今年も制した智辯学園は、課題だった投手に新1年生が2枚加わり、戦力アップ。
打線も例年通りにいいが、「打線は水物」で昨年のような敗戦もあり得る。
昨秋優勝の天理は主将・捕手・4番の北野次第。
春は思わぬ形で大会を後にした法隆寺国際はエース・丹羽が投げれば、上位進出は間違いない。
昨年と同様、エース級が投げずに春は初戦負けの奈良大付は今年もダークホース枠。
生島秀峰監督が就任すぐの春に結果を出した郡山がさらに上に行く可能性も十分ある。

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