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【ドラフト特集】野球太郎的模擬ドラフト開催!ソフトバンク王朝の牙城を崩す第一歩は、ドラフトから(パ・リーグ編)

 いよいよ、10月22日のプロ野球ドラフト会議が間近に迫ってきた。プロ野球ファンにとっては週末に控えた日本シリーズに匹敵する一大イベントだ。

 そんな熱狂的野球ファン約20名が『野球太郎』編集部に集結。自ら好きな球団のスカウト・編成役に扮して「模擬ドラフト」を実施した。球団事情を鑑みた現実的な指名もあれば、ファンだからこその夢の指名も。

 司会を『野球太郎』でおなじみのライター(にして元アナウンサー)の久保弘毅が担当。解説陣も『野球太郎』でおなじみの菊地選手、蔵建て男が務めたこの「模擬ドラフト」の模様をレポートしたい。今回はパ・リーグ1位〜3位編。


【模擬・選択志望選手(1位〜3位)】

◎東北楽天ゴールデンイーグルス
1位=平沢大河(内野手・仙台育英高)
2位=木下拓哉(捕手・トヨタ自動車)
3位=近藤均(投手・王子)

《指名理由》1位は下馬評通りです(笑)。地元・宮城の高校生ということもありますし、楽天は今、内野も外野も足りないので野手を重点的に考えました。足りない、といえば、嶋(基宏)しか頼れる選手がいない捕手も。だからこそ、2位で木下にいきたい。近藤は勝負根性を買っての指名です。

久保 2004年の球団誕生以降、1位はずっと投手指名。野手の1位指名選手が誕生すれば画期的な出来事です。それと、2位の木下は、大学時代の力任せな印象からすると、いい選手になりました。

 法政大時代は覇気がなかったですけど、打撃に限らず、全てのプレーで意識が変わっています。

菊地 確かに、嶋頼みの捕手は欲しいポジション。嶋もどうなるかわからないですしね。

久保 3位の近藤は、今年の都市対抗で株をあげた選手。あのカットボールは買いだと思います。

菊地 ただ、実際にこの順位でとれるかどうか。もっと上で指名されてもおかしくない選手です。


オリックス・バファローズ


1位=岡田明丈(投手・大阪商業大)
2位=茂木栄五郎(内野手・早稲田大)
3位=上杉芳貴(投手・トヨタ自動車)

《指名理由》岡田は前でも後ろでも期待できる投手。クジ運のいい球団ではないので(笑)、単独指名になって良かった! 2位の茂木は由田慎太郎スカウトの後輩ということで。3位もやはり投手陣、特に後ろを補強したいということで、リアル路線で考えてみました。

久保 今年、2年目の東明大貴が2ケタ勝利。若い投手に活躍の場がある球団だけに岡田にも活躍の場は与えられるんじゃないでしょうか。

菊地 茂木はオリックスのユニフォームが何となく似合わなさそうなイメージがあります(笑)。3位の上杉は、新日鐵住金かずさマジックの加藤貴之同様、去年指名されるべきだった選手、という印象も。果たして、今年はトヨタ自動車が出してくれるのか!?


埼玉西武ライオンズ


1位=吉田正尚(外野手・青山学院大)
2位=井口和朋(投手・東京農業大北海道オホーツク)
3位=大城滉二(内野手・立教大)

《指名理由》本当は1位を関東一高のオコエ瑠偉でいきたかったところ。クジで外してしまいましたが、それでもやはり1位は外野手で。ポスト・栗山巧ではないですけども、ライトも帯に短しタスキに……といった印象で外野陣が手薄です。2位は中継ぎの即戦力として。3位に関しては……最終学年の不調はあえて見ず(笑)、ショートでしっかり成長してもらって、困ったときに渡辺直人に頼りがちな現状を打破したい。

菊地 西武のライトは、本来であれば木村文紀に一本立ちして欲しいんですが。そう考えると、確かに外野手は欲しいポイントです。

久保 井口は、武相高時代と比較すると、本当に成長したと思います。高校時代はそれほど印象に残る投手ではありませんでした。

 特にスライダーの曲がりがいいですね。

菊地 すぐに使える、という意味でいい指名だと思います。

 3位の大城には打撃の感性をものすごく感じます。1年目は厳しいでしょうが、将来的には面白い選手です。

菊地 西武って、そういう「バッティングの感性」を大事にしてくれるチームではありますよね


千葉ロッテマリーンズ


1位=横山弘樹(投手・NTT東日本)
2位=桜井俊貴(投手・立命館大)
3位=勝俣翔貴(外野手・東海大菅生高)

《指名理由》クライマックスシリーズを見ても、投手が過労死しそうです。前も後ろも、投手はどこにでも欲しい。横山も桜井も、即戦力として期待しています。うちは「将来を見据えて」なんていえる球団じゃありませんので。3位・勝俣はセンバツから惚れていました。1位、2位で即物的な指名をしたので、3位では少し将来性、ロマンを求めたい。長打力に期待しています。

久保 指名理由にもあった通り、1位、2位は実に現実路線です。

菊地 よっぽどソフトバンクとのクライマックスが堪えたんでしょうね。投手にしてもそうですし、打撃陣も毎試合4番が変わる状況でしたから、勝俣に期待したくなるのもわかります。

 勝俣の打撃能力は、確かに図抜けたものがあります。特に、高校生としては抜群にヘッドスピードが速い。課題は守備ですね。

久保 でも、本当にロッテは長打が打てる選手が欲しいですよね。振り返ってみても、青松慶侑くらいしか思い浮かばないというか……。


北海道日本ハムファイターズ


1位=多和田真三郎(投手・富士大)
2位=吉持亮汰(内野手・大阪商業大)
3位=小澤怜史(投手・日大三島高)

《指名理由》多和田は、万全であれば今年の候補選手の中で一番いい投手だと思います。日本ハムですから、「今年一番」と思う選手でいきました。2位の吉持は、足と肩はトップレベルで、打撃もこの1年ですごく良くなりました。3位に関しては、将来一番化けそうな高校生右投手ということで。ファイターズにはやっぱり、ロマンのある右投手が欲しいですから。

 多和田は、普通にやれば新人王候補だと思います。

菊地 『野球太郎No.016』の中で「各チームへのオススメ選手」を選ぶ際、やたらと吉持の名前が出ました。そのくらい、どのチームにとっても実用性のある選手です。西川遥輝、中島卓也と並ぶオーダーが組めれば、かなりの機動力が期待できます。

 3位の小澤は面白いですね。今年の高校生で150キロを超えたのが、右では?橋純平とこの小澤くらい。

久保 日本ハムは去年の「3位・淺間大基」のように育てがいのある選手を指名する傾向もありますので、あり得そうです。


福岡ソフトバンクホークス


1位=今永昇太(投手・駒澤大)
2位=吉田凌(投手・東海大相模高)
3位=宇佐見真吾(捕手・城西国際大)

《指名理由》1位の今永は地元出身(北筑高)ですし、現状でケガをしていても、ソフトバンクであればすぐに出てこられなくても大丈夫! 同じ左腕の工藤公康監督もつけていた「背番号47」が空いた、ということも呼び水になるのでは。2位の吉田は、右投手のリリーフ陣が少し高齢ということもあり、後ろで検討しています。そして、ソフトバンクで一番の課題があるのが捕手、ということでの3位・宇佐見です。

菊地 今永は、今の状態では1年目に10勝いけるか……というと不安がありますが、2、3年後を見越してもいいのであれば。

久保 そこは、島袋洋奨を再生したソフトバンクですから。

菊地 吉田は高校1年時のデビューが華々しかった分、どうしても印象が弱くなっている感があります。

 チームメイトの小笠原慎之介はあんなに筋肉がつのに、吉田はどうして変わらないのか? というのも気になります。でも、あの縦スラはいい球なので、真っすぐが良くなれば、確かに抑えとして期待できると思います。

久保 ソフトバンクには「城島健司」という幻想があるので、どうしても打てる捕手を期待してしまいます。その点で宇佐見はどうなのか? あえて吉永幸一郎を目指してみる?

菊地 打撃フォーム的には阿部慎之助っぽいですけど。


文=オグマナオト(おぐま・なおと)

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